血流滞るヘッジファンド、バーゼルIIがファンド向け貸出回収の引き金に
森 佳子記者
[東京 14日 ロイター] ヘッジファンドに対する資金の流れがますます細ってきた。血流を止められたファンドは次々と破綻し、信用収縮が一段と深刻化している。米欧当局は自己責任の原則を放棄し資金供給に躍起だが、金融界の血流が正常化する兆しは見えていない。金融機関がヘッジファンド向けの貸出回収を急ぐ理由のひとつに国際決済銀行(BIS)の新しい自己資本比率規制、いわゆるバーゼルII(新BIS規制)の存在がある。
<バーゼルIIでヘッジファンドが血流障害に>
BIS規制(バーゼルI)とは、国際的に活動を行っている銀行に対して、銀行システムの健全性の観点から、一定の自己資本比率を維持することを規定した国際ルールで、1988年に日米欧など13カ国の銀行監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が設定した。
同委員会は、近年の金融技術の進展に合わせて新BIS規制(バーゼルII)を設定。日本や欧州は昨年から、米国は今年1月から大手行だけが導入した。バーゼルIIの最大の特徴は、信用リスクアセットについて債務者の信用状況をより細かく反映した計算を求めることだ。
信用市場のメルトダウンと呼ばれる足元の金融環境のなか、金融機関は、カウンターパーティー・リスク(取引相手のデフォルトリスク)の軽減に努め、管理の充実を急いでいる。
カウンターパーティー・リスクが高まるヘッジファンドとの取引に際しては、証券担保付資金融通取引(レポ取引)の掛け目を減らす、いわゆるヘア・カットや、期日の到来したレポ取引をロールオーバーしない、あるいはクレジットラインを削減したり閉めることなどで対応している。
「旧規制では、例えば米国債を担保とするレポ取引は、相手がヘッジファンドでも、高格付け銀行でもリスクウエートが同じだったので、自己資本比率への影響度に差がなかったが、バーゼルIIでは、取引相手の信用状態によって、自己資本比率が低下する可能性があるため、信用状態の悪化したヘッジファンド等へのエクスポージャーは圧縮せざるを得ない」とバークレイズ銀行・資金証券部・ディレクターの箙将行氏は語る。 続く...












