情報BOX:日銀役員「欠員」に関する規定と過去のケース、審議委員は空席事例も

2008年 03月 20日 11:50 JST
 

 [東京 19日 ロイター] 参院は19日の本会議で、政府が提示した日銀総裁と副総裁人事案のうち、田波耕治・国際協力銀行総裁の総裁就任を民主党などの反対多数で不同意とし、福井俊彦総裁の任期切れとなるきょう19日に新総裁が決まらず、日銀総裁のポストが戦後初めて空席になることが確定した。

 日銀は副総裁に就任した白川方明・元日銀理事(58)の総裁代行を19日に決めた。日銀役員の欠員の際の法令の規定内容と過去のケースをまとめた。

 政府は19日の持ち回り閣議で、国会で同意された白川氏と西村清彦・日銀審議委員(54)を正式に副総裁に任命した。

 総裁が欠員の場合、日銀法22条2項は「副総裁は、総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行う」と規定している。総裁を「代行」できる資格を持つのは白川、西村の両氏となるが、福井氏は日銀生え抜きで金融政策の決定に関する経験が豊富な白川氏を指名した。

 一方、福井氏は政策委員会の議長も務めているため、「総裁代行」人事とは別に、あらためて議長を選ぶ必要がある。日銀法16条3項は「委員会に議長を置き、委員の互選によってこれを定める」と規定。日銀は2007年4月時点で正副総裁に「事故」があった場合については、須田美矢子審議委員を議長の職務を代理する者と定めたが、今回のケースでは、政策委員の中から議長が選ばれることになる。21日に開催予定の政策委員会(通常会合)では、総裁代行の白川氏が議長に選ばれる可能性が濃厚だ。

 西村氏の副総裁就任により、政府は新たな審議委員も選ばなければならない。日銀法では、総裁が欠員のときは副総裁が、総裁及び副総裁が欠員のときは理事が総裁の職務を行うと規定されているが、審議委員にはその規定はないため、欠員になっても代行は置かれない。実際、1999年10月10日に任期満了となった後藤康夫氏の後任に田谷禎三氏が就任したのが12月3日、2002年3月31日に任期満了となった三木利夫氏と中原伸之氏の後任に春英彦氏と福間年勝氏が就任したのが4月5日と、過去に欠員が生じたケースもある。

 特にに後藤氏から田谷氏へバトンタッチされた際の空白期間は1カ月以上にもおよび、その間に金融政策決定会合が4回開催されるなど、欠員状態の中での政策運営を余儀なくされた。

 日銀法23条2項は審議委員について「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する」と規定しており、正副総裁とともに審議委員も国会の同意人事となる。今回の一連の迷走劇で日銀内には「引き受け手がいないのではないか」と心配する声もあり、4月8、9日の金融政策決定会合は白川副総裁(総裁代行)、西村副総裁、須田審議委員、水野温氏審議委員、野田忠男審議委員、中村清次審議委員、亀崎英敏審議委員の7人で開催される可能性もかなりありそうだ。

 (ロイター日本語ニュース 志田義寧記者)

 
 
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