地球温暖化の影響、豪ワイン業界が「炭鉱のカナリア」に
[メルボルン 25日 ロイター] 世界で最も乾燥した大陸であるオーストラリアのワイン業界は、干ばつの影響でブドウの収穫が大きく変動するなど、地球温暖化の影響を強く受けやすい。豪州のワイン生産者は自らが置かれた状況について、温暖化の危険をいち早く察知する「炭鉱のカナリア」的な存在と考えている。
同国の3大ワイン生産地では、水をかんがい施設に大きく依存しているため、用水コストの上昇はワイン生産者にとって死活問題となる。以前はメガリットル当たり300豪ドル(約2万7500円)前後だった水の値段は1000豪ドル強に上昇しており、一部では、今年のブドウ収穫期を迎えられないとの声も聞かれる。
ビクトリア州ミルジューラ近郊のレッドクリフで中堅ワイナリーを経営するマイケル・デ・パルマ氏は「過去3年は極めて普通だったが、今年は干ばつと水コストの上昇で最悪の年になるかもしれない」と語る。約40ヘクタールの農地を前にデ・パルマ氏は「この厳しい状況では、生産者の選択肢は2つだけ。限界まで頑張るか、やめて損失を食い止めるかだ」と自身を取り巻く過酷な現実を明らかにした。
オーストラリア各地では最近になって降雨が続いたが、その雨も内陸部のワイン産地にはさほど恵みをもたらさなかった。
業界団体による推計では、現在約7000存在するワイン生産者のうち、2008年には約14%が経済的に立ち行かなくなって廃業に追い込まれる可能性がある。一部地域では、ブドウの収穫量が30─40%減っているという。
オーストラリアのワイン輸出は総額約30億豪ドル。英国では豪州産ワインが輸入ワイン全体の23%を占め、外国産ワインとして市場シェアトップの座を維持している。ただ、今年のブドウ収穫量減少で豪州産ワインの価格は上昇し、これまでの値ごろ感には終止符が打たれることが予想される。
<将来の気温と品質への影響>
科学者らは、オーストラリア内陸部のワイン産地について、温暖化の影響を非常に強く受けると場所だと指摘している。豪連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究では、これら地域の気温は2030年までに2.5度上昇すると予想されている。 続く...












