国際金融市場の動揺が最大のリスク、機動的に政策実施=白川日銀総裁候補
[東京 8日 ロイター] 白川方明日銀総裁候補(日銀副総裁)は、8日午前の衆院議院運営委員会での所信聴取で、現在の最大のリスク要因は国際金融市場の動揺であるとして、日銀としては予断を持つことなく機動的に適切な政策を発動する方針を示した。
その上で、金融政策の効果が経済全体に及ぶには長い期間がかかるとして、中長期的なリスクにも目配りする必要がある、と指摘した。
白川総裁候補は、日本経済について「国際金融市場の動揺、世界経済の減速、エネルギー・原材料高に伴う中小企業の収益環境悪化、生活関連物資の値上がりなど、内外に多くのリスクを抱えている」との認識を示した。景気の先行きについて「当面減速するものの、その後は緩やかな成長を続けるという姿を、相対的に蓋然(がいぜん)性の高いケースとして想定している」としながらも、最大のリスク要因は国際金融市場の動揺とし「米国では1930年代の大恐慌以来の深刻な金融市場の動揺が続いている」と指摘。こうした状況のもと、日銀にとって重要なことは「予断を持つことなく、上下両方向のリスク要因を注意深く点検し、必要かつ適切な政策を機動的に実施することだ」と述べた。
幸い日本の金融市場はこれまでのところ相対的に安定を保っているが、今後とも市場機能を維持するために細心の注意が必要だとした。
金融政策運営についての基本的考え方について白川総裁候補は、「歴史を振り返ると、景気や為替、財政など短期的な配慮が優先され、経済が混乱した事例に事欠かない。そのような経験から、中央銀行に権限を与え、持続的な物価安定の実現という目的に専念させるという考えが生まれた。これが中央銀行の独立であり、中央銀行の行動を律する重要な原則だと理解している」と指摘。しかし同時に、独立性が独善に陥ってはならないことも強く自覚し、判断の根拠を国民や市場に丁寧に説明するという透明性も大事だとした。
金融政策の運営にあたっては、短期的な景気・物価情勢に十分な注意をはらう必要があるが、他方で金融政策の効果が経済全体に及ぶには1年から2年の長い時間がかかること、金融と実体経済の間には複雑な相互依存関係があることから、足元の動向だけでなく中長期的なリスクにも目配りする必要があるとした。予断をもつことなく謙虚に幅広く情報を収集し、適切な政策を運営することが求められていると述べた。
総裁の使命として白川氏は、公的使命に責任を持って取り組むことや、大きな組織のリーダーとしての覚悟、国際的な人的信頼関係をあげた。
(ロイター日本語ニュース 中川 泉)
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