国内景気は減速明確化、インフレ予想や企業の価格設定も注視=日銀総裁

2008年 05月 20日 18:25 JST
 

 [東京 20日 ロイター] 白川方明日銀総裁は20日、金融政策決定会合後の会見で、景気の現状について、減速の動きが明確になってきているとし、所得形成の弱まりが民需の下振れにつながらないか注視していくと述べた。

 さらに、消費者物価の伸びが1%台まで上昇していることについても、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動に影響しないか注意深くみていくと述べた。金融政策運営については、きょうの会合で資源高が先行きどのように影響を及ぼすのか注意する必要があるとの意見が多数出されたとし、リスクに応じて機動的に政策運営を行うとの考えを示した。もっとも、世界的な商品市況の上昇などでインフレが本格化するのかどうかは、最終的には各国中央銀行のブレーキのかけ方次第だと指摘した。

<世界経済に依然下ぶれリスク、インフレリスクも高まっている>

 日銀は19─20日の金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を全員一致で決定した。世界経済について白川総裁は「国際金融市場では一時の過度な悲観論は後退したが、短期金融市場では依然として緊張感が根強く残っているなど、不安定な状況が続いている」と指摘。また「米国経済は後退しており、金融市場、資産価格、実体経済の負の相乗作用がいつどのように終息に向かうのか、不確実性が大きい」と懸念を示した。こうした状況下で「世界経済も、引き続き下ブレリスクが高いほか、原油価格が史上最高値を更新するなどインフレ方向のリスクも高まっている」との認識を示した。

 金融市場では世界経済の悪化が峠を越えたとの見方も浮上していたが、白川総裁はむしろ、海外経済動向の悪化に依然として出口の見えない状況が続いているとの慎重な見方を示した。

 12日の講演会で、新興国を含めてインフレが臨界点に近づいているとの認識を示したことについて白川総裁は、世界経済において需要増による物価上昇が明らかとなりつつあると説明。ただし「インフレ圧力が高まっていっても、中央銀行がどの程度ブレーキをかけるか、景気に配慮しながらどの程度インフレを抑制するのかに依存する。臨界点に達しても最終的には中央銀行のスタンスによる」と指摘した。 

 <CPI上昇、インフレ予想や企業の価格設定を注視>

 白川総裁は日本経済についても「景気減速の動きが明確になっている」とし、「原燃料価格上昇で交易条件が悪化し、実質購買力にみる所得形成は弱まる動きが強まっており、国内民需の下ぶれにつながらないか注意深くみていく必要がある」と述べて、資源高による景気の悪化を指摘。特に「企業収益が悪化し、設備投資に下押し方向に働く。中小企業について今後どのように立ち上がってくるのか我々としては関心がある」として、交易条件の悪化という所得形成の弱まりが「支出面としては設備投資に一番影響が出てくるのではないか」との見方を示した。  続く...

 
 
Photo

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ