フェイクマネー崩壊で厳しい欧米投資銀行、業界縮小は不可避
森 佳子記者
[東京 3日 ロイター] 信用バブル崩壊は欧米投資銀行を損失拡大と増資の「いたちごっこ」に追い込んだ。レバレッジが生み出した「フェイクマネー」(ニセ金)の縮小で、追加損失の計上に終わりが見えないなか、投資銀行は今後、必要最低限の投資銀行業務で生き残るか、商業銀行業務に回帰するかの厳しい選択を迫られそうだ。
<カウンターパーティーリスクの所在に変化>
信用バブルの崩壊は、これまで親密だったプライム・ブローカー(欧米大手投資銀行)とヘッジファンドの関係に変化をもたらし、カウンターパーティーリスク(取引相手の倒産等で取引執行が不可能となるリスク)の所在も変化してきた。
プライム・ブローカーとは、顧客のヘッジファンドが取引を行う際に資金及び証券の貸付や決済といったサービスを提供する投資銀行(証券会社)のこと。
1998年のLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)危機の際には、プライム・ブローカーがLTCMへの貸出を引き揚げ、危機の引き金を引いた。だが、今年3月には、ベアー・スターンズBSC.Nに資産を託していたヘッジファンドらが、ベアーから他のブローカーへ資産の移し替えに走り、ベアーの流動性危機を招いた。
リスク分散の観点から、ヘッジファンドは既に数社のプライム・ブローカーと取引するようになっており、プライム・ブローカーが1社で、ヘッジファンドの資金繰りから取引全般を世話していた頃とは様変わりとなっている。プライム・ブローカー・ビジネスは投資銀行業務の一翼を担っていたが、顧客の意識も変わってきた。
オルタナティブ投資に特化した投資運用会社のGCIアセット・マネジメントの末永孝彦・代表取締役は「プライム・ブローカーはデリバティブの取引相手であるケースもあり、ヘッジファンド業界ではプライム・ブローカーのカウンターパーティリスクに対する意識が高まっている」と語る。 続く...












