日本版SWFの設立を提言、公的年金を10兆円規模で=自民検討チーム

2008年 07月 3日 14:55 JST
 

 [東京 3日 ロイター] 自民党の国家戦略本部のSWF(政府系ファンド)検討プロジェクトチーム(座長:山本有二前金融担当相)は3日、日本版SWFの設立を提言する中間報告を取りまとめた。

 運用原資は公的年金基金として、規模は10兆円とした。運用のプロを採用し、高い利回りの確保を目指す。公的年金とともに日本版SWFの原資として想定されていた外国為替特別会計については中長期の課題と位置づけて、引き続き検討していくこととした。検討チームは、この中間報告を福田康夫首相に早期に提出する考え。野党と調整した上で秋の臨時国会で議員立法として提出する方向という。

 公的年金資産は、厚生年金と国民年金の積立金で約150兆円。「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が国債を中心に運用している。自民党の検討チームは、人材の専門性などでGPIFの運用に問題があると指摘。大部分がパッシブ運用しかできない制約があるほか、世界の主要な年金基金はプロに運用を任せているとして、日本の公的年金についてもより高い運用実績を確保するため、プロに運用させる日本SWFの設立を提言した。

 <5年間の期間限定でSWFの理解促進>

 提言によると、公的年金を運用する日本版SWFは100%政府出資で設立。ポートフォリオは、国内債券67%で、残る33%を無制限。これはGPIFとほぼ同じ運用比率。目標利回りはGPIFと同等の3.2%近辺とした。投資期間5年間で、実績が出なければ解散する。

 ポートフォリオをGPIFに合わせて運用期間を5年間と区切ったのは、日本版SWFの設立には、財務省はじめ自民党内にもハイリスク運用による損失懸念で慎重論が多いため。GPIFと同じリスク条件で競わせる中で実績を出して理解を広げるねらいがある。検討チーム幹事の田村耕太郎参院議員は「万が一、損失が一時的に出ても、150兆円の運用の一部でしてとらえれば影響は軽い。10兆円から開始するので当面の年金の支払いには影響がないだろう」としている。

 新会社は、150兆円の公的年金のうち、GPIFから10兆円分だけ委託を受けるかたちをとる。人員は30人規模で、年間総経費は10─20億円。ファンドマネジャーの人件費やシステム関連に充てる。理事会を設置し、運用者を監視するが、日銀のように政治から独立させた機関として新会社の運用に内閣が介入しないようにする。運用成績も内閣は責任を負わないことを明確にした。

 公的年金の利回り向上策をめぐっては、経済財政諮問会議のグローバル化改革専門調査会(会長:伊藤隆敏・東大大学院教授、経済財政諮問会議民間議員)が5月23日に報告書を発表した。GPIFに専門家を採用して、運用の効率化と収益の最大化を図るべきとする報告をまとめている。  続く...

 
 

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