ロイターサミット:大手銀は海外業務拡充へ、M&Aによる成長戦略に積極的
[東京 3日 ロイター] 海外業務の拡充を急ぐ大手金融グループが、資本提携を含むM&A(合併・買収)による成長路線を志向する姿勢が鮮明になってきた。
サブプライム危機による欧米金融機関の損失が当初の想定以上に拡大し、さらに損失処理が長期化する可能性が高まり、これまで存在感が薄かった日本の金融グループの国際的地位が急速に上がってきていることが背景にある。ただ、邦銀の自己資本は決して十分に厚い水準とは言えず、大型買収にいきなり踏み切るよりは、マイナー出資と業務提携をセットにするやり方が現実的と言えそうだ。
<マイノリティ出資による業務提携効果に疑問も>
「(邦銀の)グローバル化は新しいステージに入ってきた。ノンオーガニックな戦略をどうやって打ち出すのかが重要だ」――。三菱東京UFJ銀行の田中達郎副頭取は1日、金融当局者や国内大手金融機関を集めたロイターサミットに出席し、繰り返した。2日に出席した三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)の北山禎介社長も、5億ポンド(1075億円)の出資を決めた英銀大手のバークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)との業務提携の狙いについて、同社が弱いアフリカやインドなどでの銀行業務の展開を強調した。
北山社長や田中副頭取が、ともに狙いとした挙げたのが、相手先と業務提携し、最終的に収益機会の拡大が臨める戦略投資だ。「出資後、新しいビジネスモデルを構築できることが基本」と田中副頭取は説明。みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)が今年1月、米投資銀行大手メリルリンチMER.Nに12億ドル(約1300億円)を出資したケースと、この点が明確に異なっていると言える。
海外業務の成長戦略に、出資やM&Aによる業務の拡大が現実味を帯びているのは、欧米金融機関の危機の度合いが想定よりも大きくなりつつあるためだ。北山社長は出資戦略について「昨年来、複数の欧米のグローバル展開する金融機関と接触してきた」ことを打ち明けた。
欧米金融機関の増資ラッシュには、豊富な資金力を誇るソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)が最大の出し手となって対応してきた。しかし、底の見えない証券化商品関連損失の拡大に、SWFだけでなく邦銀もその資金の出し手としての期待が高まりつつある。
ただ、現状では邦銀に大型買収に踏み切るだけの資金的余力があるわけではない。三井住友のバークレイズへの出資比率は2%弱。「われわれを含む邦銀は、(不良債権問題の)困難から立ち直ったばかりだ。資本の質や量の面で必ずしも十分なわけではない」と北山社長は語る。三菱東京UFJも出資に当たっては、マイノリティーからスタートし、信頼関係を築いた上で出資比率を上げていく方針を従来から示している。 続く...












