ロイターサミット:東京が国際金融センターに変貌するための試練
[東京 3日 ロイター] 高い税率、不可解な規制、海外の銀行のキャッシュカードを受け付けないATM──日本が「海外投資家に閉鎖的」とのイメージを一新し、「国際金融センター」に変貌するには幾多の試練が残っている。
日本は、1500兆円に及ぶ家計金融資産、蘇った銀行、金融分野で海外勢の参入を妨げてきた規制の自由化が進行していることを何かとアピールしたがる。しかし、改革の規模が小さ過ぎ、スピードが遅すぎるとの批判は多く、既に投資家の関心は成長が著しい中国やインドに移っている。
政府関係者はその流れを引き戻すことに意欲を示す。6月に成立した改正金融商品取引法は銀行と証券会社の間の垣根を低くし、欧米勢が力を入れている排出量取引など新規ビジネスへの参入を可能にした。税制についても見直し、ヘッジファンドなど海外のファンドが日本への投資で得る運用益について二重課税されることがないように変更した。
金融庁の佐藤隆文長官は今週行われたロイター・インベストメント・サミットで「日本では不良債権問題が終結し、世界市場で続いている混乱からの傷も浅い。今まさに日本にとって他の市場との差を埋める好機だ」と語った。「われわれが目指すのは、東京を世界を代表する、そして、アジアでNO.1の金融センターにすることだ」という。
日本が金融センターとして「売り」にするのは、長い間安全資産のまま、低い利回りしか生み出さない形で眠っている巨大な富だ。東京証券取引所の斉藤惇社長はロイターサミットで「日本には非常に安定した良質の資金がある。われわれはこの資金をできるだけ効率的に使われるようにしたいと望んでいる」と語った。
しかし、シンガポールや香港のように税率が低く、規制の透明性も高く、英語が広く使われ、移民政策も柔軟で多様な文化を持つアジアのライバルに対して日本は競争できないと厳しくみる向きもある。
香港のニューエッジ・グループのシニア・ストラテジスト、カービー・デイリー氏は「東京がこの地域の金融センターになる機会は過ぎ去った」と指摘する。同氏は「5年、10年前と比較すると、東京は中国に比べて世界の経済や金融界における地位が低下している。直観的に言えば、東京にとって潮の流れが変わったということだ」と語る。
実際、アジア全域でビジネスを展開している金融機関のなかには、本拠地を東京から他のアジアの都市に移したり、各地に分散したりしたケースもある。東京にアジアの本部を置くリーマン・ブラザーズLEH.Nは、過去18カ月の間に外為と商品部門の拠点をシンガポールに、株式と投資銀行の拠点を香港に移している。 続く...












