アジア地域で通貨危機の再来はないと確信=ADB総裁

2008年 07月 4日 13:59 JST
 

 [東京 4日 ロイター] アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は4日、都内で講演し、食糧価格の高騰を背景に新興国は国際収支面で課題に直面しているものの、アジア地域では10年前に発生した通貨危機のような危機の再来はないと確信していると述べた。

 その上で、アジアの国々の通貨が今後数カ月もしくは数年間に大きな圧力を受ける可能性は低いとの見方を示した。

 ADBでは、2008年のアジア経済の成長率について、2007年の8.7%から若干減速するものの、引き続き7.6%と健全な成長率を維持すると予測している。世界経済の減速を加味しても、中国で約10%、インドで約8%、ASEAN諸国で5.6%程度の成長を見込んでいる。

 ただ、先進国経済が想定を上回る減速となれば、アジアの成長率予想に大幅な影響を与える可能性があるとも指摘。ADBでは、米国の成長率が1%ポイント減速すれば、アジア諸国では0.5%ポイント程度減速すると試算している。

 インフレがアジア経済に与える影響について、総裁は「各国の中央銀行はインフレ圧力を抑制するべく適切な金融政策を行っている」と評価。地域内で2けた台のインフレ率を記録している国が多い現状、当局のインフレを抑制する努力は当面続くとの見方を示したが、同時に「地域内の新興国は現在のインフレを克服し、安定的かつ持続的な成長に回帰すると確信している」と述べた。

  (ロイター日本語ニュース 武田晃子記者)

 
 
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