日経平均は小反発、地政学リスクの高まりで短期筋が売り
[東京 9日 ロイター] 東京株式市場の日経平均は小反発。前日の海外市場で原油価格が大幅下落したことで米株とドルが上昇。金融株などに短期筋の買い戻しが入り一時200円を超える上昇となったが午後にイランが中長距離地対地ミサイル9発を試射したと伝わると一転。
地政学的リスクの高まりから原油価格が上昇、ドルも下落した。短期筋が再び売り仕掛けをみせ日経平均は上げ幅を急速に縮小させた。
東証1部の騰落数は、値上がり793銘柄に対し値下がり781銘柄、変わらずが145銘柄となった。
イランのミサイル試射報道に対する市場の反応は地合いの弱さをまざまざとみせた。この先どう進展するか不透明な材料ながら、後場寄り付きで200円以上あった上げ幅は前日比ほぼ変わらずの水準まで急速にしぼんだ。
前日の米市場で株価とドルを押し上げた主要因が原油価格の下落だっただけに、地政学的リスクの高まりに敏感になりやすかったとはいえ、実需が乏しく短期筋の売買に振らされやすい現在の状況を端的に示すような展開だった。東証1部売買代金は2兆1369億円と上下動が激しかった相場のため、前日よりは400億円強増えたが、「特定の大口プレーヤー中心の相場が続いている。実需の売買は乏しい」(国内証券ディーラー)という。
市場では「ささいな情報で急速に伸び悩むところが投資家心理の弱さを示している。ただ週末のオプションSQを控えて1万3000円割れには抵抗感が強い」(国内証券)との声が出ていた。
外勢の売り越し姿勢は続いており、市場筋によると、朝方のバスケット取引も買い250億円に対し、売りは欧州系資金から計400億円が銀行株や不動産株に出ていた。年初や3月の下落局面ほど大きな規模ではないが、じわじわと売りが継続している。市場では「欧米だけでなく新興国、日本と世界中で景気減速懸念が強まっており、海外投資家は資金を株式市場から引き揚げる一方、ディフェンシブ系セクターにシフトしている」(野村証券エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏)との指摘があった。
日経平均は後場に前場の安値を割り込んだが、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)や三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)などメガバンク株は底堅く推移した。前日の米国市場で、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長がプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)向け緊急貸出制度を年末を越えて延長する可能性があると述べたことを好感し、いったん金融不安が後退したという。
(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記)
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