景気はさらに減速、物価は上振れリスク注意必要=日銀声明
[東京 15日 ロイター] 日銀は15日、現行の金融政策維持を全員一致で決定した。今回から新たに当面の経済・物価情勢と金融政策運営についてステートメント(声明)を発表し、景気はさらに減速している一方、物価は当面上昇率がやや高まった後、徐々に低下していくとの情勢判断を示した。
これまでの展望リポート中間評価に相当する部分も含まれ、4月の見通しよりも成長率は下振れさせ、08年度実質GDP(国内総生産)の大勢見通しはプラス1.2%、09年度が1.5%とし、物価は08年度コアCPIがプラス1.8%、09年度がプラス1.1%と上振れた結果を示した。
声明では、景気について「エネルギー・原材料価格高を背景に、設備投資や個人消費の伸びが鈍化するなど、さらに減速している。先行きは、当面減速が続くものの、その後次第に緩やかな成長経路に復していくと予想される」と指摘。減速感が強まっていることを示した。ただ、先行きの回復シナリオは維持した。
物価面については「先行きは当面、上昇率がやや高まった後、徐々に低下していくと予想される」とした。石油製品や食料品の値上がりで、足元のコアCPI前年比はプラス1%台半ばで推移している。
ただ、08年度のこれまでの平均値を取ると1.3%程度で、年度平均が1.8%と言う今回の修正値は、この先のコアCPI上昇率が瞬間的に2%を超えることも想定していると言える。
声明では、この先の日本経済の足取りについて「物価安定の下で持続的な成長を続ける可能性が相対的に高い」という認識を示し、大幅な変更にはなっていない。
リスク要因をみると、国際金融資本市場は不安定な状態が続いており、米国など世界経済には下振れリスクがあるとした。国際商品市況の高騰に伴う所得形成の弱まりから、国内民間需要も下振れるリスクがあるという。そのため「景気の面では下振れリスクに注意する必要がある」と指摘した。
物価面では、世界的にインフレ圧力が一段と高まる中で「エネルギー・原材料価格の動向に加え、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動の変化など、上振れリスクに注意が必要である」とした。
景気の下振れリスクが薄れる場合には「緩和的な金融環境の長期化が経済・物価の振幅をもたらすリスクが高まると考えられる」と指摘した。
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