貿易統計:識者はこうみる
[東京 24日 ロイター] 財務省が24日発表した6月の貿易統計速報によると、貿易収支は1386億円の黒字となった。黒字額は前年比88.9%の減少。輸出は同1.7%の減少、輸入は同16.2%の増加だった。輸出が前年比マイナスとなったのは55カ月ぶり。市場関係者のコメントは以下の通り。
●景気回復に冷や水、中期的に通貨需給にも影響
<シティバンク銀行 リテールプロダクト本部 為替市場調査シニアマーケットアナリスト 城田修司氏>
今回の日本の景気回復局面は、過去に比べて外需・輸出への依存度が極めて高いことが特徴。輸出の減少は日本の景気腰折れリスクを高める可能性がある。サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題の震源地である対米黒字が大きく減少、対中黒字はプラスだが、資源インフレが世界最大のエネルギー消費国である中国に影響を与える見通しまで踏まえれば、デカップリング論は日本に当てはまらない。ファンダメンタルズからはもちろん、対外黒字の縮小そのものも中長期的には需給要因として円安に働く。
為替市場では米景気の回復見通しなどからドルが上昇しているが、あくまで市場の期待が先行しているだけ。原油価格の下落など外部要因の影響も大きい。一段のドル上昇は限られると見ている。本格的なドル上昇は米景気の回復を示すデータなどが出揃ってからだ。
●デカップリング論危うく、生産は年内停滞に
<バークレイズ・キャピタル証券 チーフエコノミスト 森田京平氏>
輸出が55カ月ぶりに前年比マイナスになるなど、いわゆるデカップリング論がかなり危うくなってきたというのが実感。地域別にみても、アジア向け輸出の伸びが、かろうじてプラスを維持しているが、鉱物性燃料の寄与が大きく、輸出品の裾野は広くない。 続く...












