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米国の債務危機がクレジットカード分野に波及、支払い延滞率上昇
2008年7月24日 / 10:20 / 9年前

米国の債務危機がクレジットカード分野に波及、支払い延滞率上昇

 7月23日、米国の債務危機がクレジットカード分野に波及し支払い延滞率が上昇。写真は2月、フランス南部でクレジットカードを利用する買い物客(2008年 ロイター/Eric Gaillard)

 [ニューヨーク 23日 ロイター] 米大手貯蓄金融機関ワシントン・ミューチュアル(WM.N)は22日発表の第2・四半期決算で、リスクの高い住宅ローン事業での多額の損失発生を明らかにしたが、黒字転換のためクレジットカード事業に頼ることももはや困難になった。

 クレジットカード事業での1億7500万ドルの損失は、支払い延滞が増加したことと、市場の流動性不足でカード債務が投資家に売却できなかったことによる。

 2005年にプロビディアン・ファイナンシャルの買収でカード事業に参入して以来、ワシントン・ミューチュアルが同事業で赤字を計上するのは初めてのこと。

 打撃を受けているのはワシントン・ミューチュアルだけではない。住宅価格の下落に加え、1ガロン=4ドルのガソリン価格や食料コスト高で一層多くのカード顧客が支払いに困難をきたすなか、アメリカン・エキスプレス(アメックス)(AXP.N)やバンク・オブ・アメリカ(BAC.N)など他社のカード事業も軒並み圧力にさらされている。

 カードレーティングス・ドットコムの創設者、カーティス・アーノルド氏は「先行きは芳しくない」とし、「消費者は確実に苦境を実感しており、延滞率は上昇している。事態はさらに悪化するとみる」と述べた。

 米連邦準備理事会(FRB)の統計によると、国内の消費者信用残高は5月末時点で2兆5700億ドルで、10年前より68%増加している。1人当たりでは約8400ドル。

 過去10年間、融資会社はカード利用限度額を急速に引き上げてきた。顧客はこの間、住宅価格上昇による利益を利用して借り入れを行い、現金や小切手に替えてクレジットカードを支払いに用いるようになった。

 しかし、大半のカード融資金利が20%を大きく上回り、さらに39ドルの支払延滞追加料や3%の海外利用手数料の徴収が常識になるなか、顧客の多くは返済能力を超える債務を負うようになった。

 6月の米ミシガン大消費者信頼感指数は28年ぶりの低水準を付けた。7月の速報値はやや持ち直したが、多くの消費者は米国経済はリセッションに陥っていると確信している。

 著名投資家ウォーレン・バフェット氏も、米国経済はリセッションにあるとの見方を度々示している。

 アメックスが21日発表した第2・四半期決算は、前年対比で38%もの減益となった。同社は利益の伸び予想の達成は困難になったとしている。

 ケネス・シュノールト会長兼最高経営責任者(CEO)は「米国の信用状況には失望させられる」とし、「相当に質の高い信頼履歴を持つ富裕顧客でさえも」カードの利用を削減していると述べた。

(ロイター日本語サービス 原文執筆:Jonathan Stempel記者 翻訳:山口 肇)

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