鋼材価格上昇で国内企業に明暗、自動車は値上げできず苦戦
水野 文也記者
[東京 29日 ロイター] 鋼材費が期初の想定以上に上昇し、企業収益をめぐる環境が激変している。値上げがスムーズに通る海外向けの比重が大きい産業用機械メーカーと、国内向け販売を中心に価格転嫁が難しい民生用製品のメーカーとの間に、収益面での明暗がくっきりと出ている。
中でも販売台数の減少に直面している自動車業界の苦戦振りが目立ってきた。
29日までに発表された第1四半期決算の中で、ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)が2009年3月期の営業利益(米国会計基準)見通しを従来予想の6500億円から前年比33.9%減の6300億円に下方修正し、ネガティブサプライズとして市場の不安心理をあおった。
北米市場で優位に立つ点から、同社の見通しは上方修正になるとの見方も出ていただけに、決算発表の25日以降の株価は、失望売りに押されて下げる展開となっている。
ホンダが下方修正を余儀なくされた大きな要因は、原材料コストが当初の想定より大幅に上昇している点だ。同社は鋼材など原材料コストの上昇を期初時点で年間740億円と想定していた。だが「4月以降の3カ月で(鉄鋼メーカーからの)大幅な値上げ要求を受けざるを得なかった」(近藤広一副社長)とし、想定額からさらに1250億円ほどコストが膨らみそうだという。
そのほかの企業幹部からも「鋼材価格など原材料価格が想定以上に急騰し、通期で360億円利益を押し下げる影響がある。期初には160億円の利益押し下げと見込んでいた」(三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)の佐藤行弘執行役副社長)「1度はキロ当たり20円の値上げで決着した鋼材価格が、さらに10円上昇しそうだ」(日立建機(6305.T: 株価, ニュース, レポート)の桑原信彦取締役)などの声が出ていた。
これについて鉄鋼業界に詳しいリテラ・クレア証券・理事の井原翼氏は「鉄鋼メーカーが、品薄を理由に強引に値上げした印象が強い。自動車をはじめ日本企業は高級鋼材しか使用せず、その数量には限りがあるため、資材調達の現場では争奪戦となっている可能性もある」と指摘する。 続く...












