五輪=競泳で新記録が続出する理由、水着やプール設計など諸説
[北京 13日 ロイター] 中国が欠陥品の巻き尺を使って49メートルのプールを作ったのでもなければ、北京五輪の競泳で大量の世界記録が出ていることに、単純な説明はつかない。競泳界では記録は長くは続かないものだが、五輪開幕から4日間で既に16個の記録が更新された。
理由にはさまざまな仮説が挙がっている。トレーニング方法の向上、食習慣の改善、最新水着の技術革新、波を消しうねりを減らす特別設計のプール、イルカを参考にした水中でのキック改善、などだ。
皆が納得する1つの答えはないが、技術面と精神面の両方が奏功しているというのが一般的なコンセンサスとなっている。
最も賛同する人が多い説は、米航空宇宙局(NASA)の協力の下開発されたスピード社の水着「レーザー・レーサー(LZR)」の導入だ。LZRはコルセットのように体を包み、水中で長い時間最善の体位を保つことができ、抵抗も減る。
科学者や、スピードの幹部でさえも、この水着が記録更新の一助になっているという決定的な証拠を示すことができないでいるが、着用した選手の間では今年だけで既に50以上の新記録が出ていることから、偶然とは考えられなくなっている。
米国コーチの1人は「水着が少し状況を変えたとは思う。だが優秀な選手は何があろうと素晴らしい」と語った。
プールも過去10年で大きく進歩を遂げた。設計者はあらゆる技術を駆使して記録更新に貢献している。北京五輪のプールは深さ3メートルでアテネ五輪のプールよりも50センチ深い。一方が深く一方が浅い昔ながらのプールと違い、深さが一定でうねりは少なくなった。
また、プールサイドにあふれた水は、プールに戻るのではなくデッキ上にこぼれて排水されるようになっている。レーンはかつてはロープで仕切られていたが、現在は隣のレーンからの波を防ぐ設計になっている。さらに、水温は一定に保たれ、フィルターでろ過し視界を改善、塩素に由来する味やにおい、目の充血を軽減、飛び込み台もスタートを助けるよう角度が付けられている。
米選手マイケル・フェルプスの個人コーチであるボブ・ボウマン氏は「非常に速いプール。水着も助けになっている。いろいろなことの組み合わせが人々を興奮させているのではないか」と指摘。「選手は今まで以上に積極的な泳ぎで、これまで以上のリスクをとっている。だが劇的に変わったのは人々の期待だと思う」と述べた。
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