7月輸出は底割れ回避、減速傾向は今年末まで続く可能性
[東京 21日 ロイター] 財務省が21日発表した7月貿易収支は911億円の黒字を確保し、一部で予想された赤字転落は回避した。欧州連合(EU)向けの持ち直し、アジアや中東向けの大幅増で輸出が前年比プラス8.1%増と底割れを免れたためだ。
マーケットの一部では、6月に引き続き7月も輸出が失速し、景気後退が一段と鮮明になるとの悲観論が出ていただけに、この先の景気の落ち込みも小幅で済むのではないかとの予測が出ている。ただ、輸出の減速傾向は年内いっぱいは続き、回復は来年以降との見方が多い。
<アジア・資源国向け堅調>
7月貿易黒字は事前予想の2525億円を大きく下回ったが、エコノミストの間で悲観的な見方は少数派だ。その根拠として注目されているのが、輸出数量と金額だ。6月は前年比でともにマイナスを記録し、先行きへの懸念を強めたものの、7月は数量、金額ベースとも増加。「減速はしても失速はしないことが確認できる」(住友商事総合研究所・チーフエコノミストの奥田壮一氏)との見方が増えた。
この背景には、欧州向けやアジア向け輸出の回復がある。EU向けは前年比4.1%増となり、02年3月以来の大幅な減少だった6月(同11.2%減)から増加に転じた。アジア向けはこのところ1ケタ台の伸びに鈍化していたが、7月は前年比12.7%増と今年2月以来の高い伸びになった。対中輸出の伸び率も2ケタ台に回復した。
また、米国向けは前年比11.5%減と2カ月連続の2ケタ減だが、6月(同15.4%減)から減少幅が縮小した。
品目別では、自動車(中東・ロシア向け)、軽油・灯油など鉱物性燃料(中国・香港・シンガポール向け)などが押し上げに寄与した。財務省は、鉱物性燃料の輸出が増加している要因として、品質が評価されていることや、アジアでの需要増加に伴って高い値段で取引が可能なことを挙げた。
<景気の谷は浅いとの見方、日銀シナリオに沿った結果との声も> 続く...













