アーバン増資問題、株価が動くファクトは全部開示すべき=東証社長
[東京 26日 ロイター] 東京証券取引所[TSE.UL]の斉藤惇社長は26日の定例会見で、アーバンコーポレイション8868.Tが経営破たん前に実施した増資について、「それ(増資)により株価が動いている。株価が動くようなファクターは全部ディスクローズしなければならない」と述べた。
また、300億円調達したようにみえた増資のはずが、実際は開示どおりの金額を調達できていなかったことについて触れ「ディスクロージャーの上でかなりおかしいと思う」と語った。
ただ、東証はアーバンの株式を上場廃止にすることを決めているため、取引所としてできることには限度があり、あとは証券取引等監視委員会などの問題と述べた。
アーバンの増資をめぐっては、新株予約権付社債(CB)の発行とともに、CBの割当先であるBNPパリバ(BNPP.PA: 株価, 企業情報, レポート)との間で締結していたスワップ契約に関する開示がなかったため、実際300億円の資金調達はできていなかったのに完了したかのような誤解を投資家に与えたとし、問題となっている。
アーバンはCB発行を決議した6月26日付の臨時報告書とプレスリリースで、CB発行で300億円を調達し、借入金の返済にあてると公表していた。しかし、実際にパリバはCBを引受けたものの、スワップ契約に基づいてアーバンはパリバに対しその保証金として300億円を支払い、その後は、株価や出来高に応じてパリバがアーバンに徐々に資金を払い込む仕組みになっており、アーバンが調達できた資金は最終的に92億円にとどまった。
アーバンは8月13日に民事再生法手続きの適用を申請し、東証は、アーバンの株式を8月14日から9月13日までは整理銘柄に指定し、9月14日付で上場廃止にすると発表した。
一方、500社を超える日本企業が買収防衛策を導入したことなどが、海外勢を中心とする機関投資家が日本株投資を手控える材料になっているとの見方がある。東証は、こうした買収防衛策の導入や上場企業のコーポレートガバナンスに対する意識について機関投資家から意見を集約した。斉藤社長は会見で、こうした投資家の意見を踏まえ、上場企業のガバナンス向上のために何ができるか検討し、「できれば年内に具体化していきたい」と述べた。検討課題には、特定の株主に対する第三者割当増資を防衛策として実施する企業への対応も含まれる、とした。
(ロイターニュース 江本 恵美記者)
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