楽天のTBS買収が行き詰まり、評価損処理に注目

2008年 09月 12日 18:25 JST
 

平田 紀之記者、江本 恵美記者

 [東京 12日 ロイター] 楽天によるTBS買収戦略が、行き詰まってきた。TBSが09年4月1日付で認定放送持株会社に移行する方針を発表したことを受け、楽天がTBSの株式を3分の1以上取得することが法的に不可能になるためだ。

 楽天が保有するTBS株は、取得当時に比べて下落しているため、多額の評価損も発生しているほか、TBSとの業務提携も展望が開けていない。

 TBSの臨時株主総会で認定放送持株会社への移行が認められると、特定株主の出資比率は議決権の3分の1未満に制限されるようになる。グループでTBSの株式を約20%保有する楽天(4755.Q: 株価, ニュース, レポート)も例外ではない。楽天が今後採り得る手段は、1)TBSが12月に予定する臨時株主総会で持ち株会社化に向けた議案に反対し会社法に基づく株式の買い取り請求権を取得する、2)株価の回復を待ち売却する、3)大株主としてとどまり事業環境の変化を待つ──などに限られるというのが大方の見方だ。 

 <強まる手詰まり感> 

 シナリオ1の現実味はどうか。有価証券報告書によると、08年3月末時点のTBSの株主構成は、法人が59%、金融機関は30%、外国人投資家は3%、個人投資家は5%となっており「安定株主が多い」(TBS関係者)。このため、TBSが認定持ち株会社になることに楽天が反対し、委任状闘争に踏み切っても勝ち目は薄そうだ。

 買い取り請求をする場合、交渉の焦点は価格だ。TBSの株価は業績低迷を背景に振るわず、12日終値で1751円。含み損は数百億円に上るとみられ、楽天の07年12月期の当期利益369億円が吹き飛びかねない規模。TBSとの買い取り価格交渉で、どれほどの好条件が引き出せるかが材料視されそうだ。

 楽天とTBSは業務提携を協議したこともあったが、TBSは楽天が保有株を手放すことを提携の前提条件としており、楽天が株式取得の目的の1つとして当初から主張していたTBSとの協業効果も、展望が描けないままとなっている。TBSは「楽天が株式を手放せば、協業できるところでの協業は検討する」(TBS関係者)とのスタンスを崩しておらず、今のままでは急展開は見込みにくい。  続く...

 
 
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