銀行株が急落、リーマン破たんの影響度不透明で疑心暗鬼
水野 文也記者
[東京 16日 ロイター] リーマン・ブラザーズの破たんを受け、銀行株が急落。金融不安が一段と高まるという漠然とした不安感が売りを誘った格好だが、邦銀の対リーマン・エクスポージャーが現状では明確になっていないため、市場は疑心暗鬼になっている。
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)によるメリルリンチN>の買収は一部の金融機関にポジティブな材料になるとの見方も出ているが、一部の格付け機関はバンカメを格下げしており、底なしの金融不安に対するおそれがマーケットを覆っている。
16日の東京株式市場は「リーマンショック」が襲い全面安商状になった。とりわけ悪役視されたのが銀行株で、みずほフィナンシャルグループ8411が前場段階でストップ安の水準まで売り込まれたほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ8306、三井住友フィナンシャルグループ8316も大幅安となっている。
市場関係者が恐れるシナリオは「次のリーマン」を探す連鎖安の動きだ。市場では「米当局が的確な対応をする期待はあるが、そうなったとしても(リーマン以外に)もう1つ大きな破たんが先行き生じた場合、金融市場はとても持たなくなる」(野村証券・エコノミストの東田雅昭氏)との指摘もある。それだけにバンカメによるメリルリンチの買収は、こうした厳しいシナリオを「少なくとも目先は打ち消す効果があり、連鎖的な不安拡大を抑制した」(欧州系証券ストラテジスト)という。
ただ、マーケット参加者はリーマンの破たんとメリルリンチの買収で、完全にあく抜けしたとは見ていない。「かつての日本は、りそな銀行への公的資金注入で決着したが、米当局が公的資金を入れないで問題が解決するのかと市場は懐疑的だ。先行きが不透明で漠然と不安感が覆っている間は、銀行株に対して強気でみることはできない」(ジーク証券・投資情報室長の水谷秀夫氏)との声が出ている。
価格変動リスクにさらされている資産の度合いであるエクスポージャーに関して、日本の金融機関がリーマン向け資産でどの程度持っているのか、正確なデータが公表されていないことも、邦銀への不安感をかきたてる要因になっている。
茂木敏充金融担当相は16日の閣議後会見で、リーマンへの日本の金融機関のエクスポージャーについて「自己資本の厚みに照らして、各金融機関の経営に重大な影響を与える事項は確認されていない」との認識を示した。しかし「各金融機関の有しているエクスポージャーの額や、その影響度が不透明なうちは株価が弱含む展開が予想される」(クレディ・スイス証券・銀行担当アナリストの伊奈伸一氏)という。 続く...












