高まる米金融不安、投資家は一段のリスク回避を指向
[東京 16日 ロイター] 米金融市場を襲ったリーマン・ブラザーズLEH.N破たんの激震は、連休明けとなった16日の東京市場にも波及し、株安/債券高/円高が急速に進んだ。米金融機関の経営をめぐる不透明感はぬぐえず、投資家はリスク回避指向を鮮明にしている。
市場には日米協調利下げの思惑も浮上しているが、震源地の米政府が明確なメッセージを発信しなければ、金融市場が落ち着きを取り戻すのは難しいとの見方も出ている。
<株価V字回復シナリオが後退、「次のリーマン」を探す動きも>
株式市場では日経平均が一時、600円を超す下げ幅となり、3月に付けた年初来安値(1万1691円00銭)を更新した。金融不安の増幅から銀行株が売られたほか、円高の進行で輸出関連株も売られ、市場はほぼ全面安の展開となった。「海外勢の売りが目立っているわけではなく、実需の大口売りは予想外に少ないが、買い手不在の状況。米当局が民間金融機関の救済に消極的な姿勢を示したことで、株価V字回復シナリオが後退し、投資家の失望感は強い」(準大手証券エクイティ部)という。
市場は、米政府が公的関与を見送った真意がつかめず「次のリーマン」を探す動きをみせている。「米金融セクターの混乱が米当局のコントロール可能な範囲にあるかどうか不透明だ。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)の動向が懸念されるほか、米金融セクターが一巡した後は、ヨーロッパの金融機関への懸念も広がりそうだ」(いちよし証券・投資情報部・チーフストラテジストの高橋正信氏)とみられている。
クレディ・スイス証券チーフ・ストラテジストの市川眞一氏は「米国金融システムの動揺は資本注入を含む強い公的関与なくして、もはやコントロール不能であることを示しているようだ。ブッシュ政権はレームダックの様相を強めており、大胆な施策は新大統領の決断を待たなければならないだろう。少なくとも11月中旬ごろまで東京株式市場は不安定な状態が続く可能性が強い」と指摘している。
<リーマンのクレジット取引実態見えず>
リーマンの破たんに関しては、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などクレジット取引の実態がみえていない。取引先等の損失規模が確定できないことも不安心理を増幅させている。「リーマン側のディスクローズが先決だが、相当な時間がかかると予想され、それまでは金融市場も不安定な動きにならざるを得ない。信用不安の長期化が景気に与えるマイナスの影響も考える必要がある。米当局から何らかの明確なメッセージが出なければ株価の落ち着きは期待しにくい」(日興コーディアル証券シニアストラテジストの大西史一氏)との声も出ている。 続く...












