米金融問題は険しい道のり、日本経済も注意必要=日銀総裁

2008年 09月 17日 18:27 JST
 

 [東京 17日 ロイター] 白川方明日銀総裁は17日、政策決定会合後の記者会見で、米国金融問題は険しい道のりが続いており、住宅価格下落など根本問題が残るなか、米金融機関の損失処理はめどが立たない状況との認識を示した。

 この影響で日本経済も景気回復時期の見通しを立てる上で、景気下振れリスクへの注意が必要だとした。 

 <政策効果にタイムラグ、現状維持が適当> 

 足元の景気情勢について白川総裁は「米国金融機関をめぐる情勢を背景に世界的に株価が下落しているほか、米欧金融市場の緊張が高まっていることから国際金融市場の不安定性が増し、世界経済全体に景気の下ぶれリスクが高まっている」との認識を示した。一方、物価面では世界的にインフレリスクがある中で、わが国でも引き続き上振れリスクに注意が必要だとした。

 こうした状況のもとで、この日の金融政策決定会合で利下げを選択しなかったことについて「政策効果の波及にはタイムラグがあることを念頭においた上で、経済のおかれた状況やその要因に照らして政策を判断していく必要がある」との基本認識を示した。その上で「日本経済は当面停滞するがその後は緩やかな成長に復していき、物価も現状程度の上昇率が続くが、その後は徐々に低下していくというのが相対的にがい然性の高い見通しだ。ただ不確実性が高く、景気の下振れリスクと物価の上振れリスクの双方に注意が必要。こうした中で、中長期的に見て持続的成長を確保していく観点から、現在の調節方針を維持するのが適当と判断した」と説明した。 

 <米金融機関の損失処理にめど立たず、根本問題未解決> 

 米金融機関をめぐる情勢について白川総裁は、サブプライムローン問題の発生から1年以上経過したが「問題解決に向けて依然として険しい道のりが続いている」との認識を示し、「金融機関の損失処理にはなかなかめどが立たない状況」と述べた。最近の金融指標からみても「金融機関への市場の評価は厳しさを増している」とも指摘。

 こうした中で決定された米政府の住宅金融公社への公的資金注入や米連邦準備理事会の資金供給、AIGの公的管理などの対応について白川総裁は「金融市場に対する信認確保の上で重要な決定だった」と評価。当局の対応はそれがなかった場合に比べて確実に金融システムの強さに貢献しているとしたが、「住宅価格下落が続いていることや近年信用が大きく拡大したことなど、根っこの問題が残っているし、今後まだ調整が続くということ」と指摘した。   続く...

 
 
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