貿易収支が26年ぶり赤字、日本経済底入れに遅れも

2008年 09月 25日 16:50 JST
 

 [東京 25日 ロイター] 財務省が25日発表した8月の貿易収支は、3240億円の赤字に転落した。正月休みで輸出が低水準に推移する傾向がある1月を除くと26年ぶりとなる。対米輸出の大幅減少などで輸出が伸び悩む一方、エネルギー価格高騰で輸入が大きく膨らんだためだ。

 新興国向け輸出が欧米向けの鈍化をカバーする構図は続いているが、日本にとって全体の約5割と高いウエートを占めるアジア向けが鈍化傾向にあり、後退局面入りしているとみられる日本経済の底入れが、一段と遅れる可能性も指摘されている。 

 <対米輸出が過去最大の下落率を記録> 

 日本経済については、在庫過剰感が過去に比べて弱いこともあり、景気後退期は短期で終了するとの楽観論がこれまでは多かった。

 しかし今回の数字を受けて民間エコノミストからは「かなり大きなネガティブサプライズ。来年前半に景気が底打ちするというようなシナリオがあったが、それよりは先送りになりそう」(ドイツ証券シニアエコノミストの安達誠司氏)、「EU・アジア向け輸出の前年割れは時間の問題。今後は世界的な景気後退に伴う輸出の落ち込みが、国内景気を一段と冷え込ませる可能性が高い。日本の景気後退はこれから本格化することになろう」(信金アセットマネジメント・チーフエコノミストの宮嵜浩氏)など、国内景気に対する警戒感がにわかに強まっている。

 貿易赤字は、1982年11月(1160億円の赤字)以来となる。事前から4000億円程度の赤字が予想されていたため、おおむね予想の範囲内との評価が多かったが、統計発表後の株式市場で輸出株に売られたほか、外為市場でもやや円売り圧力が強まった。

 財務省によると、82年11月当時は米経済が不況下にあり、円安で貿易摩擦問題も深刻化していたことなどから輸出が抑えられたという。 

 サブプライムショックの渦中にある米国向け輸出は、前年比マイナス21.8%の大幅減となった。現行統計で遡及(そきゅう)可能な80年1月以後では、最大の下落幅という。自動車、自動車部品、鉱物性燃料などが大きく減ったことが影響した。特に、寄与度の高い自動車が数量ベースの変化率で前年比2ケタ減となり「米国景気の悪化が進行していることが示唆される内容」(農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏)との見方が出ている。   続く...

 
 
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