フライ・トゥ・キャッシュが鮮明、大和生命破綻で相互不信に拍車
[東京 10日 ロイター] 投資家が我れ先にと資産の現金化に走っている。解約に直面するファンド勢だけではなく金融機関までもが、金融不安の中で現金を手元に置く姿勢を一段と強めている。株価急落でも円債が一斉に売られているのはそのためで「フライ・トゥ・キャッシュ」(現金への逃避)が鮮明だ。
株式先物、債券先物がともに急落、一時売買停止になるなど異常事態に直面している。短期金融市場では資金の貸し借りが滞り翌日物金利が急騰、日銀は過去最大規模の資金供給を行い金利上昇の抑制に動いているが大和生命の経営破たんが金融機関の相互不信に拍車をかけている。
<日本にも金融危機が波及、狼狽売り>
株式市場は再びパニック的な売りに襲われた。世界的な金融不安が収まらず、朝方からほぼすべての銘柄に売り注文が殺到。日経平均は一時1000円を超す下げ幅を記録した。米政府が金融機関に対する公的資金注入に柔軟な姿勢を見せ始めたが、国民や議会の理解を得るには高いハードルがあるとみられ、市場の疑心暗鬼は消えていない。「各国で様々な対策が打たれているが、投資家の不安心理が強く、効果が出るまで待てなくなっている」(東海東京証券マーケットアナリストの鈴木誠一氏)という。
大和生命の経営破たんも投資家の不安心理を増幅させた。サブプライムローン問題に端を発した国際金融市場の混乱で日本の金融機関が倒産に至ったのはこれが初めて。「金融危機がいよいよ日本にも波及した」(準大手証券)との見方も出て、狼狽(ろうばい)売りが止まらない。
野村証券金融経済研究所ストラテジストの芳賀沼千里氏は金融市場の混乱について、「短期市場が機能不全に陥っていることが大きな要因だ。決済できないのではないかというカウンターパーティリスクが高まりシステミックリスクが起きているのが、ここ数日株価が大きく下落している背景となっている」と分析。「マーケットは政府が何を言おうと聞かない状態になっている。ワシントンの7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、市場の不信感を払しょくするようなメッセージを出すことができるかがポイントだ。各国が協調する枠組みを構築した上で、金融機関に公的資金を注入するといった政策も有効だろう」と指摘している。
一方、大和住銀投信投資顧問、上席参事の小川耕一氏は「リーマン・ブラザーズの破たん以降、ヘッジファンドの解約懸念などでリスク資産圧縮の動きが加速し、株価の下げの9割は需給のゆがみによるものだとみている。各国政府は様々な手を打っているが、直接株を買うわけでもなく結局は間接的な対応の域を出ていない。協調利下げや英国などでの公的資金注入を経てG7では協調姿勢を確認するぐらいしかできないのではないか」という。
<円債もキャッシュ化の対象に> 続く...












