米資本注入への具体策が株価反転の最低条件、バブル後安値の声も
[東京 10日 ロイター] 世界的な株価下落が止まらない。日経平均は10月10日に大台の1万円を割り込んでからわずか2営業日で8000円台前半まで急落した。ヘッジファンドのクローズが観測されるなど金融市場ではパニック心理が増幅。
市場はバリュエーション面を冷静に判断する機能を失っており、各国政府による迅速な対応が待ったなしで求められている。株価下落を止めるためになすべき政策は何か──。市場関係者は、米国を中心に公的資金注入を一刻も早く実施することが最低条件とみる。有効な対策が打ち出されない場合、株価はバブル後の安値を下回るとの声も出ている。
<金融市場の混乱拡大、システミックリスクが発生>
「これはヘッジファンド業界で言うところの『ドローダウン』だ」─ある国内ヘッジファンド関係者はこう述べる。「ドローダウン」とは、ヘッジファンド業界ではロスカットルールの意味で「1カ月間でパフォーマンスが10%程度悪化した場合、半ば強制的にそのファンドはクローズされる」(同関係者)という。1カ月どころか10月に入りわずか9営業日で日経平均は1万1000円台から8000円台と25%超下落している。多くのファンドがパフォーマンスの急激な悪化からクローズを余儀なくされていることは明白だ。海外のヘッジファンドはもちろん、オルタナティブの比率を上げてきた国内機関投資家も換金売りに追われているという。
野村証券金融経済研究所ストラテジストの芳賀沼千里氏は、金融市場の混乱はクレジット市場からマネーマーケットに波及し短期市場が機能不全に陥っていることが大きな要因と分析する。「決済できないのではないかというカウンターパーティリスクが高まり、システミックリスクが起きているのが、ここ数日株価が大きく下落している背景となっている」という。
<米国への不安噴出、口先介入では納得せず>
世界的な金融不安に対し、各国が協調利下げや公的資金注入、預金保護などの対策を打ち出すなか、今回の金融問題の中心のひとつである米国当局の対応に市場の評価は厳しい。米国は紆余曲折の末、金融安定化法を通過させ金融機関へ公的資金を注入するスキームは整った。ポールソン米財務長官は金融機関に対する公的資本注入に柔軟な姿勢を示している。ただ、事態がここまで悪化すると、口先介入では市場は納得しない。
いちよし証券投資情報部チーフストラテジストの高橋正信氏は「不良資産の買い取りなり、資本注入なりの具体的なアクションが必要になっており、小出しにしてきたポールソン財務長官の読みが甘かった」と、厳しい見方を示した。時間との競争となるなか、G7後も下値不安が続くことが予想され、政策対応と市場の催促の綱引きが続く。また、金融だけでなく実体経済悪化への政策も一刻を争う状況となっている。 続く...













