個人投資家がクロス円のポジション手仕舞い

2008年 10月 23日 19:44 JST
 

 [東京 23日 ロイター] 為替市場で個人投資家がクロス円取引のポジションを手仕舞っている。米リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の破たんをきっかけに一気に広がった世界的なリスク回避の動きで円相場が急騰、持ちこたえられなくなったポジションを処分している。

 人気のあったNZドル/円の建玉は5万枚を割り込み月初からほぼ半減した。

 「協調利下げや公的資金注入など、各国の対応が評価され市場の混乱は和らいだようにみえたが、足元で投資家のマインドは冷え込んでいる」。国内金融機関のある関係者はこう述べ、ムードの悪さを指摘している。新光証券、通貨ストラテジストの鈴木健吾氏は、個人投資家について「自らポジションを閉じている投資家もいるかもしれないが、損失限度枠を超えて強制的に決済をさせられているケースが多いのではないか」とみている。

 東京金融取引所のデータでは、NZドル/円の建玉は10月1日時点で9万5389枚だったが、9日には5万枚を割り込んだ。22日も4万9804枚にとどまった。主要国の中銀による協調利下げや7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)などで金融機関に対する公的資金注入の方針が表明されるなど矢継ぎ早に金融危機対策を講じた後も、ポジションは減り続けている。豪ドル/円も、8万2572枚から22日には4万8748枚に減少した。

 ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は23日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートをほぼ予想通り1.0%ポイント引き下げ、6.50%とした。利下げ幅1.0%ポイントは過去最大。政策金利は2005年1月以来の低水準となった。同中銀は信用収縮と市場の混乱により、大幅利下げが必要との認識を示した。NZドル/円は2002年9月以来の安値圏に下落するなど、下落に歯止めはかかっていない。

 足元で大きく売り込まれている欧州通貨も、NZドルほどではないが、同様の動きがみられる。ユーロ/円は今週に入ってから15円も下落。ユーロ/円の建玉は20日は1万3496枚。世界的なリセッション懸念が広がり、ユーロや英ポンドを中心に下落が進み、値ごろ感からいったん買いポジションが1万8054枚に膨らんだが、その後の相場の下落で22日は1万3433枚に落ち込んだ。

 JPモルガン・チェース銀行では、英ポンドやNZドルの方がユーロよりも売られ方が強いと指摘する。ユーロ/円は23日の東京市場で一時123.40円まで下げた。2002年12月以来の安値圏だが、英ポンド/円は2000年以来8年ぶりの安値圏となる150円台へと下落している。

 ただ建玉は減っているものの、個人投資家の取引数量は、逆に増加している。10月1日と22日の比較で、NZドル/円は1万2495枚から1万5941枚、ユーロ/円は2万9315枚から8万0085枚。UBS銀行外国為替部FXアドバイザーの北條雄一氏は「以前は外貨預金のように金利で稼ぐという投資家もいたが、3月の円高急進以降、小刻みに利益を確保する動きが目立ってきた」とし、10月以降はその動きが加速しているとみている。  続く...

 
 
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