薬品株にFDAリスク、審査遅延続出でディフェンシブ性に限界
[東京 21日 ロイター] FDA(米食品医薬品局)の医薬品審査に遅れが出ている。日本の医薬品企業は、2010年前後から大型薬の特許切れを控えており、新薬の承認の遅れは大きな経営上のリスクとなる。
成長市場だった米国経済のスローダウンやオバマ新政権の医療費抑制方針など、医薬品メーカーにとっては、米国リスクが急速に高まっている状況だ。
武田薬品工業(4502.T: 株価, ニュース, レポート)に対する市場の注目点は、糖尿病治療薬「SYR―322」と抗腫瘍(しゅよう)薬「TAK―390MR」の米国での承認審査の行方に絞られている。両剤ともに、10月に予定されていた米FDAからの回答が延期され、「TAK―390MR」は1月31日が新たな回答期限として設定されたものの、「SYR―322」は回答期限が示されていない状況。販売許可申請中の痛風・高尿酸血症治療薬「TMX―67」と合わせ、武田では「今年度中の承認取得を目指す」としているが、先行きは不透明だ。
同社は、国際戦略4製品と位置付ける主力薬のうち抗潰瘍(かいよう)薬「タケプロン」が2009年、糖尿病治療薬「アクトス」が2011年にそれぞれ米国で特許切れとなる。「タケプロン」の2008年3月期売上高は1487億円(うち米国は452億円)「アクトス」は3962億円(同3186億円)の主力薬で、これら主力薬の後継製品となる新薬の市場での販売態勢整備が急がれる状況だ。年商1000億円の新薬の場合、発売開始が3カ月遅れると、単純計算で250億円の売上げ減となる。
ドイツ証券アナリストの舛添憲司氏は「クリアーではない状況が一番嫌なところ」とした上で「FDAの承認が遅れれば遅れるだけ、利益が出てこない。株式投資にとってリスク要因だ」と指摘する。
承認が遅れている理由について、武田の長谷川閑史社長は「安全性をより慎重に見極めなければならないという要求、それに対しての(FDAの)人員不足、その両方の要因から、FDAが審査を受け付けて10カ月後に返事をするという期日から、遅れている製品が軒並み出ているのが実態」と分析。また、別の業界関係者は「中国からの輸入食品の安全性チェックにプライオリティーが置かれ、薬の審査が進まない」と指摘している。
FDAの広報担当者は「さまざまな理由がある」と述べ、不十分な人員や優先順位の問題、製品の安全性への要請の高まりなどを上げている。
こうした遅れは、武田だけではない。アステラス製薬(4503.T: 株価, ニュース, レポート)では抗生物質「テラバンシン」、抗不整脈剤「バナカラント」、第一三共(4568.T: 株価, ニュース, レポート)では抗血小板剤「プラスグレル」などに審査の遅れが出ている。「テラバンシン」については、19日(現地時間)に開催されたFDAの諮問委員会において、承認の推奨が採択されたが「新しい化合物やメカニズムは、FDA諮問委員会の審査を受けなければならない。そこで承認推奨が採択されただけで、決して次の絵を描けるというものではない」(広報)としている。 続く...












