原油価格50ドル割れ、一段と増す電力・ガス株の存在感

2008年 11月 21日 15:48 JST
 

 [東京 21日 ロイター] 原油が下げ止まらない。先物価格は下値メドとなる1バレル=50ドルを割り込み、わずか4カ月で100ドル近く下落したが、依然として先安ムードに包まれている。

 そうした中、株式市場で底堅さが目立つのが電力・ガス株だ。原油価格下落による燃料安効果に円高メリットも加わり、各社とも業績見通しが上方修正される期待が大きい。景気悪化に対する懸念からディフェンシブ銘柄に資金が向いていることも、存在感を一段と高める要因となっている。

 20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中心限月12月物が最終取引日となる中、景気鈍化を背景に燃料需要が一段と落ち込むとの懸念から売りが広がった。12月物の終値は前日終値比4.00ドル安の1バレル=49.62ドルと、約1年10カ月ぶりの50ドル割れとなっている。

 今年7月11日に最高値147.27ドルを付けてから、4カ月あまりで約3分の1の水準まで下落したものの、底打ち感は出ていない。商品市場では「原油先物はコモディティ市場の中でも群を抜いた下げが目立つが、景気後退による需要減少懸念から、まだ下げ余地があるとの見方が広がっている」(三菱商事フューチャーズ証券・商品営業本部調査チーム課長の菅田修司氏)との声が出ている。

 こうした原油価格の下落について、株式市場では株価にプラスの材料と受け止める向きが大勢を占める。原油価格がこのまま軟調に推移するか、下げ止まっても安値圏で落ち着いた動きとなった場合、原燃料安メリットを享受する企業が多いのがその理由だ。「需要不足で収益見通しが厳しい時期だけに、コスト削減につながる原油安は悪化する利益を下支えする要因になる」(準大手証券情報担当者)との指摘もあった。

 とりわけ、その効果の大きさが注目されているのが電力・ガス株で「これらは原油安・円高といった側面からだけではなく、相場全体の地合いが厳しいことも買い材料。ディフェンシブ銘柄として関心を集めている」(リテラ・クレア証券・理事の井原翼氏)という。

 ゴールドマン・サックス証券・アナリストの酒井田浩之氏は「原油下落・円高で業績の急回復が見込まれ、(電力・ガスは)ほぼ全社で上方修正が見込まれる珍しいセクター」と指摘する。

 電力株では、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の業績動向を左右する刈羽原発の運転再開のメドが立っていない点が注目されるが「同原発7号機の耐震強化工事を終了するなど再稼動に向けた準備が整いつつある。全7機の本格的な再開は来下半期以降と思われるが、原油価格の落ち着きを背景に2010年3月期は経常損失解消への道筋がみえそうだ」(岡三証券・アナリストの宮本好久氏)との見方も出ていた。   続く...

 
 
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