FRB資産膨張などでドル安・長期金利上昇も=武藤前日銀副総裁
[東京 1日 ロイター] 武藤敏郎・大和総研理事長(前日銀副総裁)は1日、都内で講演し、国際的な金融危機はここまでの各国当局の対策にもかかわらず沈静化していないと指摘、今後の課題としては米中銀の資産膨張や米財政赤字の拡大によりドル安や長期金利の上昇を招く可能性があるとした。
武藤理事長は、ここまでの金融危機への米政府の対応について、当初の金融安定化法の趣旨では7000億ドルの予算で不良債権を買い取ることにしていたにもかかわらず、それを公的資金注入に使うことにしたり、その後不良債権は買い取らないことにするなど迷走していることについて、「原則なき対症療法との印象」と批判。不良資産を買い取らなければ、不良資産がどの程度あるのか、把握できないとの見方を示した。
さらに今後自動車業界のビッグ3まで救済することになれば、住宅メーカーや赤字地方公共団体などにも要求が広がっていることから、際限のない救済となりかねないとの懸念を示した。
今後の焦点は、いつ米住宅価格が下げ止まるかという点だと指摘し、2010年5月までに現在の価格からさらに15%下落し、2010年11月にようやく下げ止まり、横ばいになるとの見通しを示した。
日本経済については、2010年には成長率もマイナスからプラスに転じるとの見通しを示したが、V字型回復は難しいだろうと述べた。
2011年度までにプライマリー・バランスの黒字化を達成できるかについて、武藤理事長は「困難になった。景気が安定していないと財政再建はなかなか難しい」と述べた。その上で、財政で経済を軌道に乗せる方向は間違っていないが、少なくとも将来の日本経済の発展に寄与するという財政出動であることが必要だと指摘した。
(ロイター日本語ニュース 中川泉記者)
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