日銀総裁が緩和度合い低下を指摘、さらなる金融緩和の検討も視野に

2008年 12月 2日 09:22 JST
 

 [東京 2日 ロイター] 白川方明日銀総裁は1日、福岡市での講演で、緩和度合いが低下していることから低金利効果が実体経済に波及しなくなるリスクが高まっているとの厳しい認識を示し、経済・金融市場の動向次第では、緩和度合いをさらに強める可能性をにじませた。

 日銀は前週末に発表された鉱工業生産の弱い結果に危機感を募らせており、企業金融の円滑化対策にとどまらず、一段の金融緩和策の検討も視野に入ってきたと言えそうだ。

 <生産の大幅減少、日銀の景気認識に厳しさ増す>

 白川総裁をはじめ日銀が厳しい認識を持つにいたった背景には、世界経済が予想以上に悪化の度合いを強めている状況の変化がある。白川総裁は国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しで、09年成長が2.2%まで落ち込むとの見通しを引用。従来、日銀は世界経済が3%台後半を割れば日本経済に相当な影響が及ぶと見ていただけに、足元の世界景気の減速が相当に強いインパクトを日本経済に与えるのではないかと警戒している。

 10月の鉱工業生産速報は前月比3.1%低下と大きく下げ、10─12月期も過去最大の落ち込みとなる可能性が高まったことで、日銀内の景気の先行きに対する警戒感は一気に高まった。こうした急激な景気の悪化に対し、最近は週単位で経済・金融情勢の風景が一変していると悲鳴に近い声も日銀内からは聞こえてくる。

 白川総裁はこの日の講演で、日本経済について「ここへきて停滞色が急速に強まっている」との厳しい見方を示した。

 物価もこれまでとは状況が一変。日銀内ではデフレを懸念する見方も出ており、一部には「物価下落のスピードは予想以上かもしれない」といった声も出ている。原材料コストの低下というメリットはあるものの、かつてのデフレ時代に設備投資や個人消費、賃金などに下押し圧力がかかったことは記憶に新しい。

 <企業金融環境は急速に悪化>  続く...

 
 
Photo

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ