国債先物が大幅下落、くすぶる財政悪化懸念

2008年 12月 4日 14:19 JST
 

 [東京 4日 ロイター] 4日の東京市場では、円債市場での国債先物の大幅下落が目を引いている。一部海外勢の売りなどテクニカルな要因のウエートが大きいという見方が出ている一方で、財政再建路線を棚上げしつつある麻生太郎内閣の下での財政悪化懸念もくすぶり出した。

 米欧の長期金利が低下傾向を鮮明にする中で、日本の長期金利に別の動きが出てくるのか、政治情勢も大きく影響しそうだ。

 <意識される加速度的財政の拡張>

 午前の円債市場で、国債先物中心限月12月限は前日比63銭安の138円94銭と大きく続落した。財政拡大への懸念が、高値警戒感やテクニカル要因から売られやすかった地合いを後押し。海外勢の利益確定の売りや限月交代に絡んだ売りが重なって下げが加速した。中心限月12月限は一時、同68銭安の138円89銭まで下げ幅を広げた。現物市場ではフラット化を修正する動きが継続。長期金利は前日比3bp高い1.410%と11月25日以来の水準に上昇した。

 トヨタアセットマネジメント・チーフファンドマネージャーの深代潤氏は「財政の拡大傾向が現実味を帯びていることへの警戒感が強まり始めている」と指摘する。「政府がどこまで具体的な景気対策を考えているのか、どの程度の規模まで財政が膨らむのかはまだ不透明だが、当初は回避する方向だった赤字国債の発行は避けられない状況のようだ。金融危機以降の経済指標から見ても景気はどんどん悪化しており、景気の側面からも財政拡大への圧力がかかる。債券市場では、加速度的に財政が拡大していくリスクを意識せざるを得なくなっている」と述べる。

 実際、政府は3日に決めた09年度予算編成の基本方針の中で、概算要求基準(シーリング)について前年度までの「堅持」から「維持」に表現を後退させ、さらに与党内では、シーリングとは別枠で公共事業や社会保障などの予算を増額するべきだ、との声が高まっている。

 だが、別枠予算を編成する場合、その財源に明確なメドがたっているわけではなく、政府・与党内では建設国債の発行が取りざたされている。市場では、一部で報道された3年間で10兆円の別枠予算を編成すれば「小泉純一郎内閣から継続してきた財政再建路線が、明確に転換されたとみなされるだろう」(外資系証券の関係者)との声が漏れる。

 <米長期金利利回り、55年以降では最低水準に>  続く...

 
 

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