インタビュー:米国の一国支配は終えん=出井・クオンタムリープ代表
[東京 29日 ロイター] コンサルティング会社クオンタムリープ(東京都千代田区)の出井代表(ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)元会長)はインタビューで、現在の世界経済の大混乱は、金融問題だけでなく世界的規模で多くのひずみが噴出した結果であると指摘した。
その上で、米国による世界経済の一国支配が終わった今、ドルの崩壊を食い止め、軟着陸させることが重要だと語った。現在の円高は自然のメカニズムでは調整されず、ドル/円は史上最安値の79.75円を突破する可能性が高いと予測。かつてのブレトンウッズ体制のような為替の新しい仕組みを作ることが必要との認識を示した。また、日本企業は大量生産型からの業態転換を迫られており、今後はテーラーメイド型の産業が有望だと述べた。
インタビューの主なやりとりは以下の通り。
──今回の金融危機をどう見るか。
「時期や規模は予想がつかなかったが、いずれ(金融のバブルは)破たんすると思っていた。私がソニーのCEO(最高経営責任者)だったとき、IR(投資家向け広報活動)をやっていて『難しいな』と思った。ヘッジファンドの人に経営戦略をいくら一生懸命に説明しても意味がなかった。彼らの関心は今後1週間で株が上がるのか、下がるのか。それによってポジションを変えるだけ。モノの本当の価値を考えるのではなく、瞬間的なゆがみを狙って投資の機会をうかがっていた。そういう経済がどんどん拡大し、ついに破たんした」
──金融資本主義は終えんを迎えたと思うか。
「米国の行き過ぎた金融資本主義は、もはや続かないと思う。資本主義と一口に言っても、産業資本主義と金融資本主義の二層構造になっており、上部の金融資本主義があまりに大きくなり過ぎたため、支えきれずに崩壊した。米国の金融は、ホテルや不動産など20世紀に作られ、ゆがみが生じたものを売り買いして金儲けをしてきた。しかし、人口や企業が生み出す富など実物経済に限りがある以上、金融ビジネスにも限界がある」
「企業も金融ビジネスの対象となり、ゆがみが生まれた企業が売買されたが、それも崩壊した。金融ビジネスでは企業の価値を算出するのに、EBITDA(税引前利益に支払利息と減価償却費を加算)の乗数や売上高の乗数、さらに米ユーチューブのようにまだ収益を上げていない企業に対しては期待利益の乗数などの単純な数式を当てはめてきた。実物経済の世界では足し算してはいけないものを、金融工学の世界では足し算していた」 続く...













