3月ドル急落説が浮上、国内勢の決算対策で円高加速の公算
基太村 真司記者
[東京 9日 ロイター] 年明け後の外為市場で、早くも3月のドル/円急落説がささやかれ始めた。業績の落ち込みに直面する日本企業が3月決算対策として海外資産の巻き戻しに動けば、リパトリエーション(資金の本国還流)による円買い圧力が強まり、ドル/円が急落するリスクがあるとのシナリオだ。
実際に昨年後半の急激な円高によって国内企業は相次いで海外投資の大幅損失を計上し始めており、緊張感が例年以上に高まっている。
年明けにドル/円は一時、1カ月ぶりの94円台へ上昇するなど、昨年から続いた急速なドル安/円高は一服となるかに見えた。しかし、米国は急減速する景気や金融危機への懸念、財政悪化問題など数多くの爆弾を抱えおり、参加者の多くは今年中のドル急落を予想している。関心はもはやドルが下落するかどうかではなく、その時期がいつになるのかに移りつつある、とさえいえる。
そのひとつのシナリオとして浮上してきたのが、日本発での急速なドル安/円高。多くの企業が決算期を迎える3月末にかけて、業績の大幅悪化が避けられない日本企業が、利益が出ている米国債などを益出しのために手放したり、逆に米国株など大幅下落で損失を被っている商品を損失確定のために売却したりすれば、外貨売り/円買いが進みやすくなるとの見方だ。
複数の日本企業や法人はすでに、急速な円高で海外投資に伴う巨額損失を計上している。
上場企業ではイタリアンレストランのサイゼリヤ(7581.T: 株価, ニュース, レポート)が豪ドル建て債のデリバティブで150億円超の損失を計上、駒澤大学(東京都世田谷区)など複数の学校法人も海外投資の失敗に伴う損失計上に追い込まれた。海外投資での損失計上が、外為市場関係者の間で決算対策のリパトリを誘発しやすくなるとの連想につながっている。
ある外銀関係者は「円安バブル時に海外投資に手を出した顧客は少なくない。当時は金融機関サイドもチームを作って売り込みをかけるなど、かなり積極的に動いていた。いま(損失が)表面化しているのはまだ、氷山の一角に過ぎない」と、急速な円高進行で国内勢が水面下で含み損を抱えている可能性を指摘する。市場の一部では根拠に乏しいものの、一部の金融機関や事業法人などが、3月末に向けて大幅損失を計上するのではないかとの観測も流れ始めている。 続く...












