取引所の行方:再編の成否、個人投資家取り込みがカギ
[東京 16日 ロイター] 日本の取引所体制の抜本改革を目指した政府の「総合取引所」構想が、離陸に向け動き出している。東京市場の機能を強化し、世界の金融センターとして再活性化することが大きな狙いで、関連法改正が実現すれば、今後数年間に東京と大阪の二大証券取引所を中心にした国内の各取引所の大幅再編が進む見通しだ。
取引所の整理統合や関連規制の変更は個人も含めた多くの投資家に様々な利点をもたらすと期待される一方、既存取引所の主導権争いが表面化し、投資家ニーズに応えられなければ、私設取引システム(PTS)などに取引が流れる可能性もある。政府主導の取引所大再編に何が待ち受けているのか。投資家の信頼獲得に苦悩する新興取引市場やPTSの将来性を織り交ぜて、課題や展望を探った。
<商品先物取引、いまは個人に縁遠く>
大分県別府市のトラック運送会社社長、三浦政人氏は、経営を大きく圧迫した昨年夏の原油暴騰を先物取引の活用で乗り切った。同氏は、自社の大型トラック約100台が使用する月間約540キロリットルの軽油のうち、約4割について元売業者に一定の希望価格の指値を出し注文している。決められた数量を一定の価格で事前に確保することで、軽油価格の変動が営業経費に及ぼす影響を小さくしようというわけだ。
先物取引を始めて約4年。昨夏の軽油高騰時に、あらかじめ安く手当てしておいた軽油価格と値上がり後の価格とのギャップがみるみる広がり、年間1000万円程度の差益が出た。
しかし、三浦社長は「あくまでも実需の一部を先物取引で調達するだけ。全部を先物取引には頼らない」と、先物取引に依存することには慎重だ。「先物業者はよくわからないし、(取引は)心も汗もない浮き草のようなもの。そこで利益を上げても好感できないし、トップが地に足をつけていなければ社員の志気が乱れる」(三浦社長)と打ち明ける。
消費者にとって利点があるのに、そのニーズを十分に取り込めない先物取引。都内で個人タクシーの運転手をする廣野隆男氏も、三浦氏と同様、ガソリン価格高騰のリスクを回避する先物取引の効果は認めつつも、利用には距離を置く。「若いドライバーは関心を持つかもしれない。しかし、私はかえって損失を出すと困るのでやる気はない」。
<法律改正で総合取引所に道、個人の選択肢が拡大> 続く...













