長国買い入れ余地少ないがルール見直さず=日銀総裁

2009年 03月 18日 18:48 JST
 

 [東京 18日 ロイター] 白川方明日銀総裁は18日、金融政策決定会合後に記者会見し、長期国債の買い切りオペは銀行券発行残高に見合う額までという「銀行券ルール」からみてぎりぎりの水準まで増額したことから、今後経済金融情勢が悪化しても、金融市場安定のために追加的な増額余地はかなり限定されるとの認識を示した。

 それでも、銀行券ルール見直しには否定的な考えを示し、他にも様々な政策手段があるとした。日銀が一段と財政政策の領域に踏み込むことには、政府との役割分担について真正面からの議論が必要だとの考えを示した。政府の追加経済対策により今後、国債増発が見込まれるが、白川総裁は「国債増発への対応を念頭に置いたものではない」と述べ、買い切りオペが財政ファイナンスになると危険だ、との認識をあらためて示した。 

 <年度明けても市場の緊張続く、貸出慎重化回避のため潤沢な資金を供給> 

 白川総裁は長期国債買い入れ額を12月に月に1.4兆円に増額したのに続いて今回1.8兆円まで大幅に増額したことについて、「年度末を越えても市場の緊張が続く可能性が高い。金融市場の安定を確保するため、引き続き積極的な資金供給をおこなっていくことが重要であり、長期の資金供給手段を一層活用し、円滑な金融調節を行っていくため」とし「潤沢な流動性を供給することが狙い」と語った。その背景には「年度末を越えても世界経済の落ち込みが続くこと、世界の金融市場もまだ安定を取り戻していない」と説明した。長期国債買い入れを増額すること自体で経済金融情勢の改善に直接結びつくわけではないが、17日に公表した劣後ローン供与と同様に、長目の資金を潤沢に供給することで、金融機関の貸出抑制をできるだけ回避したいとの意図がある。 

 <銀行券ルール上、もはや増額余地乏しく> 

 日銀は今回毎月の買い入れ額を思い切って4000億円増額した。通常の増額幅2000億円に比べて大幅となったが、それだけ経済金融情勢への懸念が強いことの裏返しでもある。長期国債買い入れオペは、銀行券発行残高を上限とするルールを設定しているため、今回の買い入れ増額により数年内に現在76兆円の銀行券残高に近接する可能性が高くなる。白川総裁は「さすがにここまで買い増すと追加的な増額余地はかなり限定される」とした。

 それでも「銀行券ルールを見直すことは考えていない」と明言。財政ファイナンスを目的するものではないことを明確にするためにこのルールがあることを踏まえ、見直しには否定的な考えを強調した。あくまで金融調節上の必要性から行うものであり、今後政府の追加対策による国債増発があっても、それに対応して買い入れ額を増額する判断はしていないと述べた。 

 しかし今後景気が下振れするリスクや金融環境が厳しくなる場合があることについては日銀自身が金融経済月報で言及している。その場合でも長期国債の増額は銀行券ルールがある以上は難しくなる。白川総裁は金融市場の安定を実現していくには「色々な方法がある」と指摘。長期国債買い入れ増額は円滑な金融調節上必要だと判断したが、昨日の資本増強支援もそうだし、最後の貸し手となることも1つの方法だと述べた。長期国債オペをやるやらないによって、市場安定の熱意がないというわけではなく、あくまでも1つの方法との考えを示した。   続く...

 
 
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