損保6社の2010年3月期は全社最終黒字を予想
[東京 20日 ロイター] 大手損保6社の2010年3月期予想が20日、出そろった。市場環境の厳しさは続くが、前期の利益圧迫要因となった有価証券評価損など金融危機による影響はおおむね出尽くしたとの前提で、各社ともに黒字を見込む。
自賠責保険の料率変更による影響が一部で残ることから、事業会社の売上高に当たる経常収益で4社が減少を予想。残る2社も微増か横ばいにとどまる。ただ、資産運用面では、「市場環境は3月末時点と変わらないと前提を置いて、金融市場混乱の影響がなくなると見込んでいる」(東京海上日動火災保険の大庭雅志・執行役員)とし、金融危機の影響解消の反動が利益押上げに働くとの見方だ。
このうち、東京海上ホールディングス(8766.T: 株価, ニュース, レポート)は、2010年3月期の当期利益が前期比245.7%増の800億円になるとの予想を発表。市場環境は引き続き厳しいと見るが、前期に利益を押し下げた投融資での評価損が解消するほか、事業の効率化や海外事業の貢献を見込む。この予想は、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト7人の予測平均値784億円を上回った。
自賠責保険の料率変更の影響が一部で残るほか、生保子会社が手がける変額年金保険の販売減を見込んで経常収益の減少を予想する。ただ、会見した大庭執行役員は「国内損保の資産運用益など損益の改善や、海外保険子会社の収益改善を見込む」と説明。連結経常利益は1250億円、当期純利益は800億円の予想とした。年間配当予想は、前期と変わらずの48円とした。
<09年3月期は金融危機の影響で全社経常赤字、3社が最終赤字>
09年3月期業績は、3社が最終黒字を確保できなかった。とりわけ、金融危機の影響が大きかったのが損害保険ジャパン(8755.T: 株価, ニュース, レポート)。金融保証関連での損失や有価証券評価損など合計2480億円の利益圧迫要因が生じた。責任準備金や価格変動準備金の戻し入れで補いきれず、最終損失となった。会見した山口裕之・常務執行役員は「危機の影響は大きく、保険本業ではなく、こちらに決算が引っ張られてしまった」と総括した。
一方、東京海上ホールディングス(8766.T: 株価, ニュース, レポート)と三井住友海上グループホールディングス(8725.T: 株価, ニュース, レポート)、日本興亜損害保険(8754.T: 株価, ニュース, レポート)も経常赤字となったが、準備金の戻入額でこれをカバーし、最終黒字を確保した。
東京海上の2009年3月期経常損益は、前の期の1790億円の黒字から大幅下落となる151億円の赤字となった。傘下の損保会社で自賠責保険の料率変更の影響や、生保会社の手がける変額年金の減少で経常収益が5%減少したほか、有価証券評価損988億円をはじめ、国内株式市場の下落など金融危機の影響が合計で1829億円あり、前の期に比べ1433億円の減益要因となった。海外保険事業も、ハリケーンなど大型災害の発生や競争激化の影響があり287億円減益の141億円と下落した。ただ、当期損益は、価格変動準備金の戻入額などの特別利益があり、231億円の黒字を確保した。
(ロイターニュース 平田紀之)
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