企業採算ライン、鉱工業生産ピークの70後半から80程度=植田元日銀審議委員

2009年 07月 3日 15:12 JST
 

 [東京 3日 ロイター] 東京大学金融教育研究センターの植田和男教授(元日銀審議委員)は3日都内で講演し、鉱工業生産のこれまでのピークを100とすると、企業の採算ラインは70後半から80くらいとの見方を示した。

 同氏は「金融危機と日本経済」と題した講演のなかで、最近の鉱工業生産の動きについて「ピークを100とすると、60を割るくらいまで落ちたが、現在70くらいの回復が見えてきている」としたうえで、「それでも100よりものすごく下で、おそらく採算ライン、70後半から80くらいとみられる。このへんにこないと儲かるようにならない」と指摘した。

 さらには「割と近い段階で、そういう姿が見えてこないと、2段階、3段階目の調整が待っているという微妙な局面にある」と警告したが「80に戻らないと決まったわけではない」とも付け加えた。

 同氏はまた日本で「デフレの傾向が見え始めている」と懸念を示した。同氏は、直近の食料・エネルギーを除いたベースのCPIは前年比マイナス0.5%程度と、米国より2%ポイント以上低いと指摘。「米国では真性デフレに行くリスクは今のところまだ低い」とする一方、「日本は既にデフレであり、一段のデフレ率拡大に至る可能性もかなり高い」と警告した。

 さらに「デフレ経済で財政からいろいろな刺激をしている中で、財政のサステイナビリティは非常に大きな問題となってくる」と指摘した。

 
 

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