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再送-〔黒田日銀1年〕2%物価目標は達成可能、駆け込み需要は「想定内」=加藤官房副長官
2014年3月23日 / 22:12 / 4年前

再送-〔黒田日銀1年〕2%物価目標は達成可能、駆け込み需要は「想定内」=加藤官房副長官

(この記事は20日午後7時39分に配信しました)

[東京 20日 ロイター] - 加藤勝信官房副長官は20日、ロイターのインタビューに応じ、黒田東彦日銀総裁が主導してきた「異次元緩和」によって、デフレ脱却と経済再生に向けて着実に進展していると評価した。日銀が掲げる「2年で2%の物価目標」について、今のままで達成できない状況ではないとの見通しを示した。追加緩和の是非については言及を避けたが、物価目標達成に必要であれば、躊躇(ちゅうちょ)なく政策を実施するという黒田総裁の姿勢を信頼していると語った。

追加緩和の副作用については「緩和は目的ではなく手段だ。(日銀には)その状況に応じて適切に対応していただくとしか言いようがない」と指摘。「政府としては、財政健全化と経済成長のしっかりした足取りを作りあげることに尽きる」と述べた。

4月の消費税引き上げを前にした駆け込み需要は「想定内」とし、景気全体の足取りはしっかりしているとした。

「山高ければ谷深し」──。駆け込み需要が想定以上に大きければ、経済の落ち込みも予想以上に大きくなりかねない。加藤官房副長官は想定内の動きであることを強調し、消費増税後の反動減への対応として「追加の施策をとる状況には至らない」と述べた。

ただ、経済情勢には目を凝らす必要があるとも語り、反動が想定以上に大きければ、必要な政策をとるとした。

インタビューの詳細は以下の通り。

 ――黒田日銀の1年をどう評価するか。

「黒田総裁が就任して思い切った異次元緩和策をとったこともあり、現在の経済のパフォーマンスをみると、GDP(国内総生産)成長率は5四半期連続プラス、物価もコアで1.3%、コアコアで0.8%となり、月例経済報告から『デフレ』の文言はなくなった。まだデフレ脱却までいかないが、デフレ状況との認識ではなくなった」

「デフレ脱却と経済再生に向けて着実に物事が動いている。その中で黒田総裁も十分役割を果たしてもらっている」   ――日銀の「2年・2%物価上昇」目標に市場は懐疑的だ。目標達成の可能性は。

「この間に消費税上げなどいろいろある。見通すことは難しいが、コアやコアコアの物価がプラスに転じ、上昇率も拡大している。デフレ脱却に向けた道筋を一歩一歩、歩んでいる。とはいえ、長い間デフレにあった。デフレマインドをどうやって払しょくしていくかが課題だ」  

――2年で物価目標達成が難しいと日銀が判断した場合、追加緩和は必要か。

「今のままいって、達成できないという状況にはない。この段階で追加的な話をするのは市場に対していかがなものか」

「いずれにしても、黒田総裁は物価目標達成に必要であれば躊躇なく政策を実施していくと言及している。その姿勢を信頼している」  

――市場では7月の追加観測が根強い。望ましい判断時期については。

「市場とのコミュニケーションは大事だ。そういうところを見極めながら、総裁が適切に判断されるだろう。今、そうすべきとか、すべきでないと言う状況には至っていない」

――4月の消費税引き上げに伴う駆け込み需要と反動減の見通しは。

「駆け込み需要は想定していた範囲で動いている。自動車(販売)は前回97年に比べて高い面もあるが、全体としては想定の範囲。それに伴い、生産・消費も増え、設備投資も持ち直してきている。単に駆け込み需要だけでなく、景気の足取りそのものがしっかりしている」

「反動減は当然織り込んだ中で、全体の流れとしては、想定している動きだ」

「4月引き上げ後、どう動いていくか状況をみる必要があるが、13年度補正予算5.5兆円が成立し、14年度当初予算も本日成立し、前広に対応できる。予算執行も前倒しを指示している。こうした施策も相まって、反動減から、7─9月期にかけて回復できる環境はできている」

──先行きリスク要因は。

「ウクライナ情勢や中国経済など、海外要因がリスクとしてある」

  ――4月消費増税による経済の下振れが想定以上に大きいと判断した場合、財政・金融面で政策対応が必要か。

「その場合には、必要な政策をとっていかなければならない。ただ、政策によってタイムラグがある。どのような政策が良いのかはその状況を見ながら、政策を組み合わせていくしかない」

――政策の機動性の点で金融政策、追加緩和の必要性が選択肢になるか。

「あまり固定的にみて言うのは適切ではない。金融政策、財政政策の特性がそれぞれある。特性を見極めながら、その状況にあった政策をとっていくことになる。ただ、今の段階では、そうした状況に至らなくてすむのではないか」

――現時点では、追加緩和や追加財政出動の必要性は認識していないということか。

「山高ければ谷深し。今見えている『山』の状況は想定の範囲。実際、4月以降どうなるかはしっかりみていかなければならない」

――追加緩和の副作用はないか。

「緩和は目的ではなく手段だ。経済状況に応じて適切に対応していただくとしか言いようがない。 異次元の金融政策についていろいろ議論があるのはその通り。そのことは十分理解しながら、政府として大事なのは、財政健全化と経済成長のしっかりした足取りを作りあげることに尽きる」

──デフレ脱却は何合目あたりか。

「数量的には難しい。頂を見つめながら進んでいる」

──デフレ脱却で取り組むべき課題は。

  「いかに好循環を作りだすか。デフレの中で悪循環に入っていた。それを逆転させ、流れを変える意味で春闘に注目していたが、春闘を見る限り、今、良い回転をしている。さらに中小企業、非正規雇用の賃金水準引き上げにつながり、好循環ができていくかどうかだ」  

<消費税10%引き上げは経済動向を総合判断、デフレ脱却宣言にこだわらず>

──年末には消費税率10%の最終判断が迫る。デフレ脱却宣言が前提条件になるか。

「(最終判断は)経済状況全般を踏まえて対応する。デフレ脱却とは、デフレに戻らない見通しのこと。それなりの期間が必要になる」  

──デフレ脱却宣言にはこだわらない。

「たとえば、この2月から、1年も満たない中で様子を見きれるものなのかということだ。デフレ脱却も含めて経済そのものの足取りがどうなっているか、見て判断する」

――消費税率10%への引き上げを先送りした場合のリスクをどう認識するか。

「先送りするということは足元(の経済)が悪いということだ。悪い中でやるリスクと、先送りするリスクの比較考慮の中で、最終的に政治判断していくことになる」

「財政健全化が遅れるということだから、市場がその時にどうとらえるかだ。意志がなくなったととらえられるか、意志はあるが(経済)状況の中で判断したととらえられるのか、それによっても違うのではないか」

<法人実効税率下げ、来年からの段階的実施含め議論>

――菅官房長官が来年度からの法人実効税率引き下げに言及した。首相官邸の意向か。

「首相は1月のダボス会議で、さらなる法人税改革に着手すると明言した。そこで言ったことをしっかり実行していくことは当然必要だ。どのタイミングで、どういうスケジュール感で進めるかは、これから議論していかなければならないが、そういう方向性を持って議論してほしいというのが官房長官の発言の趣旨だ」

「来年から実施すると決めたわけではない。来年からでもやれるように、また、ある程度のスパンの中で考え方を示していくことが、国内企業の国内投資、外国企業の日本国内への直接投資に影響してくる」

――最も早ければ、段階的に来年からスタートすることが選択肢になるのか。

「そういうことも含めて議論してください、あるいはそういう方向で議論してくださいということを言ったのであって、するしないはこれからの議論だ」

<日米韓首脳会談実現なら、地域の安定へ外交メッセージ絶大>

――24、25両日にオランダ・ハーグで開かれる核サミットに合わせて、日米韓首脳会談が模索されている。実現した場合の成果として何を期待するか。

「日本側はもともと(首脳会談を)やりましょうというスタンスだが、韓国側がどういう判断をしているか聞いていないので、(日米韓首脳会談の実現については)何とも申し上げられない」

「目的については、北朝鮮の状況が念頭に上がってくるだろう。そういう問題に対して、3カ国で共通認識ができ、そのことが北朝鮮を中心とした動きに対し、地域の安定化に向けて進んでいくことが期待される」  

「首脳会談が開かれないからといって、日・韓間で何も交流していないわけではない。しかし、(首脳会談の実現で)より前に進んでいくことになる。特に外交的メッセージとして大きいものがある」  

(インタビュアー:吉川裕子 梶本哲史) (吉川裕子 編集:石田仁志)

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