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〔焦点〕国内生損保、GPIF運用方針変更に追随せず 株式慎重変わらず
2014年10月23日 / 07:48 / 3年後

〔焦点〕国内生損保、GPIF運用方針変更に追随せず 株式慎重変わらず

[東京 23日 ロイター] - 国内主要生損保の2014年下期・資産運用計画がほぼ出そろった。国内株式への運用比率を高めるとみられている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のスタンスを追うことはなく、日本株に慎重/円債重視というこれまでの姿勢に変わりはない。ただ、国内金利水準は低いままで運用難の状態にあり、外債投資を徐々に積極化していく動きも出始めている。

<円債中心の「大枠」を維持>

GPIFのポートフォリオ見直しが市場の注目を集めるのは、世界最大の127兆円というGPIF自身の運用資産の大きさもさることながら、「巨象」が動くことで、他の機関投資家の運用方針にも影響を与えるかもしれないとみられているからだ。

だが、現時点で国内主要生損保の多くは、GPIFの運用見直しから距離を置いている。GPIFは株式などリスク資産の運用比率を高める方向だが、国内バイサイドの日本国債を中心とした運用姿勢に変化はない。

日本生命は14年度下期、増加資金8000億円(劣後債調達分除く)のうち、約7割を国内債券・ヘッジ付外債などの円金利資産に投資する方針だ。円金利資産で7割、円金利以外の運用資産で3割とする従来からの運用の大枠を維持する。一方、上期の国内株式投資は、相場上昇局面で売却した結果、残高を300億円減らした。

明治安田生命も今下期は、国内の金利環境を見極めながら慎重に国内債券を増加させる計画だ。同社の山下敏彦専務執行役は国内債券はALM(資産・負債の総合管理)推進の観点から、引き続き中心となる資産だと指摘。そのうえで「われわれとGPIFは負債の構造が違う。われわれと違う行動を取ることは理解している」と話した。

基本的に運用利回りがリターンに反映される年金に対し、保険のリターンはクーポンなどインカムゲインが反映される。さらに生損保には、支払い余力を担保させるソルベンシーマージン規制もある。保険会社にも年金部門があるが一般勘定とは別の特別勘定での運用だ。生損保が、安定的にクーポン収入が得られる国債などをポートフォリオの中心としなければならない理由には、こうした事情がある。

<オープン含め外債に前向きな動きも>

ただ、わずかながら変化もみられる。日本国債の低金利状態が長期化しており、運用が難しくなっているためだ。

住友生命保険は、下期計画で国内債券の純増を見込むものの、外国債券へのシフトを上期に前倒しで進めたことや低金利の環境が続いていることから、積み上げは限定的になるとの見通しを示す。

東京海上日動火災保険も、国内債券中心のポートフォリオを維持するが、0.50%を下回る10年債の利回りでは「積極的に積み増していく金利ではない」(ポートフォリオ運用グループ・グループリーダーの中原好謙氏)という。このため国内債は償還分の再投資にとどまり、残高は横ばいとなる見通しだ。

国内の低金利環境が続く中、生損保運用担当者が興味を示すのは外債投資だ。円金利資産の代替としてヘッジ付き外債がメーンだが、円高に振れる局面ではヘッジなしのオープン外債に投資したいとの声も出ている。

日本生命は、年度初めに横ばいか減少を計画していたヘッジ外債の残高は、上期2600億円の増加となった。円金利は、国内外の景気回復基調や緩やかな物価上昇を背景に年度末にかけて緩やかに上昇するとみているが、低金利が継続した場合、「国内債を控えて、外債に投資せざるを得ない」(佐藤和夫財務企画部長)という。円高に振れる局面では、オープン外債の投資を増やすとする。

円高局面でのオープン外債投資には、明治安田生命や、住友生命、三井生命、太陽生命なども前向きな姿勢を示している。ドル/円が100円を下回るとの予想は少ないものの、米金融政策の転換によって日米金利差が緩やかに拡大するとの見方が多い。

  成長分野への投資に積極的なバイサイドも増えてきた。住友生命は、成長分野への投融資は、新興国進出の企業と環境・エネルギー分野を対象とし、今期から3年間で1000億円の計画を示していたが、すでに上期に500億円を実行した。同社の松本巌運用企画部長は今後の枠組みの拡大について、松本氏は「まず1000億円達成し、次にどうするか考える」と述べている。 (伊賀大記 編集:田巻一彦)

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