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再送-〔MOFウオッチャー〕財政目標、表現修正に与党が布石 薬価で調整難航も
2017年6月9日 / 09:08 / 3ヶ月前

再送-〔MOFウオッチャー〕財政目標、表現修正に与党が布石 薬価で調整難航も

((この記事は9日午後6時05分に送信しました))

[東京 9日 ロイター] - 政府は、基礎的財政収支(PB)黒字化と名目国内総生産(GDP)に対する債務残高の割合を、同時に改善させる新たな経済財政運営の指針(骨太方針)を閣議決定した。財政健全化の表現修正には与党が布石を打ち、成長重視の安倍晋三首相の意向を反映させた。一方、当初の政府案に明記されていた薬価引き下げを巡る表現は、与党との調整過程で削除された。改革機運が後退すれば、経済再生と財政再建への歩みは滞りかねない。

自民党の茂木敏充政調会長は、年明け以降、財政健全化目標の表現修正に動き始めた。骨太方針の決定に先立つ4月27日、茂木氏を中心とする「財政再建に関する特命委員会」は、A4版7枚の意見書を取りまとめ、「PBを2020年度までに黒字化し、同時に債務対GDP比の安定的な引き下げをめざす」と明記した。

政府関係者によると、茂木氏は複数の案から「同時に」との文言を選び、これまで骨太方針で用いられてきた「その後の」との表現の変更に道筋をつけた。第2次安倍政権発足以降、財政健全化を巡る文言が変わったのは初めて。

2つの指標を併記した背景には、PB目標の未達が現実味を帯びてきたことがある。内閣府の試算では、経済が高成長を遂げた場合でも20年度に8兆円余りの赤字が残る。別の政府関係者は「PB目標が達成できなくても、債務対GDP比が一時的にでも改善している姿を示せれば、ゼロではなく50点と印象付けられる」と指摘した。

だが、債務対GDP比は、成長率が金利を上回った状態でも、大幅なPB赤字を抱えていれば改善しない。2013─16年度は成長率の方が金利よりも高かったが、比率は悪化し続けているのが現状だ。

歳出改革の後退を招く圧力も、表面に浮上してきた。政府が2日に取りまとめた素案に示されていた薬価引き下げに関する方針が、製薬業界の反発を背景に削除された。

政府関係者によると、与党との調整の過程で「まだ議論を終えていないのに書き過ぎではないか」との指摘が出た。薬価を巡る改革工程表は変わらず「形式的に修正したに過ぎない」(同関係者)という。

ただ、今後は教育投資の拡充や子育て支援への歳出増に伴う財源確保が課題となる中、社会保障を中心とした改革が緩めば、経済再生と財政再建への道は遠のく可能性もある。 (梅川崇 編集:田巻一彦)

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