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〔英中銀フォーカス〕明確なガイダンス設定、コンセンサス形成が焦点に
2013年8月5日 / 06:29 / 4年前

〔英中銀フォーカス〕明確なガイダンス設定、コンセンサス形成が焦点に

* 中銀が将来の金融政策の指針としてガイダンスを検討

* ガイダンスは英国債利回りの上昇を抑制する可能性

* 金融政策委員9人のコンセンサス形成は困難な見通し

[ロンドン 2日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は5日からの週に、長期間の低金利維持方針を明確にするか、あるいは間違いを犯すリスクを避けてよりあいまいなアプローチをとるか選択を迫られることになる。

オズボーン財務相はカーニー英中銀総裁に対し、金融政策の指針とする「フォワードガイダンス」の活用について、中銀内での意見を報告するよう求めている。

英中銀はこれまで、将来の金融政策を明示し詳細の行動を制限するような方法は採用していない。2009年以降は金利を0.5%に据え置き、債券買い入れで景気支援を行ってきた。

従来の方針を変更するかどうかは、7月31日─8月1日の金融政策委員会で協議され、8月7日の四半期経済見通し発表時に明らかにされる予定。

7月に就任したばかりのカーニー総裁は、これまでも繰り返しフォワードガイダンスの支持を表明。また中銀は、近いうちの金利上昇は望まないことを明確にしている。

中銀は7月4日の金融政策委員会で、債券利回りの上昇は英経済の状況と一致していないと指摘した上で、フォワードガイダンスについて議論することを明らかにした。

ただ元金融政策委員で現在はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのチャールズ・グッドハート氏は、9人の委員で構成される同委員会がこれ以上の詳細なガイダンスで見解が一致するのは難しいとみている。

カナダ中銀は2009年、当時総裁だったカーニー氏の下で、インフレ見通しが管理可能な状態にとどまることを前提に金利を15カ月据え置く方針を決定。カーニー氏は一般への説明が容易な指針の必要性を強調した。

グッドハート氏は、これと同様の動きを予想しており、英中銀は少なくとも2015年半ばまで金利を据え置く方針を示すとみている。

ただこの種のガイダンスは意見がまとまらない可能性がある。カナダでは、中銀当局者と総裁との見解の一致を見込んでいるが、英中銀の委員は個人の見解に基づいて投票し、議会で意見を説明することが求められている。

これに加え、4人の外部委員の任期は3年にすぎず、ガイダンス期間の終わりに在籍しない委員もでてくる可能性がある。

<失業率が基準か>

これらの理由から、ロイター調査では多くのエコノミストが中銀は米連邦準備理事会(FRB)のようなガイダンスで見解が一致すると予想。FRBは失業率が6.5%に低下するまで利上げを考えない方針を明確にしている。

特定の基準に政策スタンスを関連させるやり方だ。

この方法は、個人的に景気回復のスピートについて各当局者の見解が異なっていても、共通のスタンスを示すことが可能になるという利点がある。

また、金利据え置きの期間を延長するかどうかというお決まりの質問をかわすことができ、その間弱い成長が続くという意味合いも回避することができる。

ただその一方、低金利の維持がどれだけ続くか明確さを欠いたコミットメントを提示することになり、代わりに何が活用できるかという疑問が生じる可能性がある。

英失業率は、金融危機後の英経済の落ち込みからみて通常考えられるほど上昇しておらず、基準とするには問題がある。とはいえ他の選択肢はさらに複雑だ。たとえば国内総生産(GDP)なら、何をベースとした数字を採用するのか、一般への説明には複雑なものもある。

中銀の元エコノミスト、ロッド・ウッド氏は「失業率は最も有力」と述べた。

<難しい基準設定>

失業率については、どの基準を利上げの目安とするか見解の一致も難しい。

現在失業率は7.8%。危機前は6%を下回っていた。

しかしエコノミストの多くは、失業率が低下を始めるかなり前から賃金インフレは上昇するとみている。

中銀が失業率の基準をより低水準に設定すれば、ガイダンスはより景気刺激的になるが、インフレの容認基準が2%の目標を大幅に上回ってしまう危険性がある。

タカ派の当局者の懸念をなだめるには、FRBから別の知恵を拝借したり、インフレ予想が一定の水準を上回れば利上げを検討するといった条件を加えることも可能だ。

この水準は目標である2%、あるいは中銀がより景気刺激的な政策を望むならこれをやや上回る水準に設定される可能性がある。

金融政策委員会でのコンセンサス形成が難しければ、低金利を「長期間(an extended period)」維持するという欧州中央銀行(ECB)型のあいまいな指針を採用することもあり得る。

これらを踏まえ、グッドハート氏ら金融政策委員の経験者は、多くを期待しない方がいいと警告する。

元委員のディアンヌ・ジュリアス氏は「中銀は両面作戦に出るだろう。フォワードガイダンスが期待外れで実際にガイダンスとなっていなくても大きな驚きはない」と指摘した。

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