〔金利ウォッチャー〕質への逃避で長期金利が急低下、1.5%割れには抵抗感も

2008年 07月 10日 17:14 JST
 

 10年最長期国債利回り(長期金利)の低下が止まらない。米金融機関の信用不安や世界景気の減速懸念を背景に安全資産とされる国債を選好する流れが加速している。買いの主役は海外勢だが、7月に入りリスク許容度が回復した国内勢も追随、全員参加型の様相を呈している。もっとも急激な金利低下に対する警戒感も浮上。国内の景気後退観測の広がりなど新たな局面に入らない限り、一気に長期金利が1.5%を割り込むのは難しいの見方も根強い。

 <海外勢が株売り/債券買い、質への逃避の動き>

 財務省が10日に発表した6月29日─7月5日の対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、対内株式投資は1925億円の売り越しとなった。一方、対内中長期債投資は5151億円の買い越し、対内短期債投資は1兆8554億円の買い越しとなった。対内短期債投資の買い越し額は07年12月9日─15日に次いで過去2番目。海外勢の株売り/債券買いが鮮明になった背景には、欧米金融機関の信用不安が強まる状況下で、リスクを低減する動きとともに、質への逃避先として債券に投資マネーが流れたことがある。大和総研・債券ストラテジストの奥原健夫氏「6月決算に絡んで欧米の投資銀行がより安全な資産を選好。キャッシュに近い短期債の買いが膨らんだのではないか」と分析する。

 10日の東京市場でも朝方に株安/債券高が進展。米格付け会社フィッチ・レーティングスが9日、追加評価損計上や業績悪化の見通しを理由にメリルリンチMER.Nの債務格付けを引き下げる可能性があると発表したことで、欧米金融機関の信用不安が広がった。国債先物中心限月9月限は一時前日比65銭高の136円40銭と5月13日以来の水準に上昇。現物市場では10年最長期国債利回り(長期金利)が同4.5ベーシスポイント(bp)低い1.565%と5月12日以来、5年利付国債利回りは同6.5bp低い1.120%と5月9日以来、2年利付国債利回りは同3.5bp低い0.770%と5月13日以来の水準にそれぞれ低下した。

 市場関係者によると、国債先物には海外勢から買いが入ったほか、現物中長期ゾーンには、銀行勢や年金勢などから買いが入った。日経平均は朝安後に11日のオプションSQ(特別清算指数)算出を前に、短期筋の買い戻しで持ち直したが「SQ通過後、来週にかけてはマドを空けて下値を試す場面もあるのではないか」(国内証券)として、株価が反発する場面でも目立った債券売りは見られなかった。  続く...

 
 

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