〔特集:米金融危機(1)〕米住宅公社に格下げのリスク、優良債権劣化で自己資本き損を警戒
[東京 18日 ロイター] 米国の住宅政策の根幹を担ってきた政府系金融機関の経営危機が金融市場を揺さぶっている。住宅価格の値下がりに歯止めがかからず、同機関が発行し世界の投資家が保有している債券にはデフォルト(債務不履行)のリスクさえ語られ始めた。政策金融機関として米国政府が債務を保証するはずだという暗黙の前提に疑念が生じるだけでも、ドル資産からのマネー引き揚げという形で世界の金融市場は大混乱に陥りかねない。〔特集:米金融危機〕では3回のシリーズに分けて政府系金融機関の経営実態とマネーの流れに与える影響、そして今回の事態があぶりだした米国経済の構造的な問題を分析する。
<米住宅市況の長期低迷で業績圧迫、優良住宅ローン債権への波及警戒>
米財務省と連邦準備理事会(FRB)が13日に発表した政府系住宅金融機関(GSE)への支援策は、信用収縮懸念を一時的に和らげる効果にとどまった。GSEの連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)が発行した債券は、米住宅市況の長期低迷から2社の資産の劣化により業績がさらに悪くなった場合、格下げされる可能性が出ている。GSE2社が発行した債券を世界中の投資家が保有しているため、大規模な損失が発生することも考えられる。
クレジットマーケットでは、米住宅市況の長期低迷の影響を受けて、GSE2社は住宅ローンの延滞率上昇などで業績が圧迫され、今後数年間は損失の計上を余儀なくされる可能性があるとみる。住宅ローン関連の業績をファニーメイでみると、2008年1─3月期の保証部門の損失は32億ドルと前年同期比で10倍に急拡大した。大幅に損失が膨らんだことについて、新生証券・債券調査部シニアアナリストの宮川淳子氏は「ファニーメイの場合、住宅ローン債権に関連して貸倒引当金などが増加し、2008年1─3月期まで3四半期連続で純損失を計上したことで、自己資本がき損した」と述べた。












