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〔アングル〕自動車各社に業績未達リスク、米国発の金融不安が直撃
2008年10月3日 / 10:35 / 9年前

〔アングル〕自動車各社に業績未達リスク、米国発の金融不安が直撃

 久保 信博記者 

 [東京 3日 ロイター] 日本の主要自動車メーカーに2009年3月期業績の未達リスクが高まっている。米国発の金融不安から販売台数が世界的に落ち込む一方、為替も再び円高に振れている。消費者心理の悪化で販売が上向く兆候は今のところ見られず、市場関係者は各社が業績予想を下方修正する可能性を否定していない。

 <米国で新車めぐる「消費者信頼感」が最低値に>

 「ここまでひどくなるとは予想していなかった。9月はショールームに来店する客が激減した」と、トヨタ自動車(7203.T)関係者は最大市場の米国の状況についてこう話す。各社が2日に発表した9月の米国販売は、米ビッグスリーなども含めた総合計が15年ぶりに100万台を割り込み、「異常な事態」(同関係者)となった。

 リーマン・ブラザーズ破たんに端を発した金融不安で消費者心理が悪化したほか、購入者が信用供与を受けにくくなっており、負の影響はこれまで好調だった小型車にも波及した。日系メーカーもトヨタが29.5%減、ホンダ(7267.T)が20.9%減、日産自動車(7201.T)が34.2%減と軒並み2割以上減少した。トヨタでは、株式市場の下落や金融安定化法案の迷走を背景に、高級車「レクサス」を予約した客の一部が手付金の返還を求める動きが出ているという。

 9月の米国販売は年換算で1250万台。日本自動車工業会は、当初1600万台弱と見ていた2008年の新車需要を、すでに1400万台半ばまで引き下げているが、今やそれすら大きく下回る。100人のうち6カ月以内に新車購入計画のある人の割合を示す「消費者信頼感」は1.5%と、2000年以降の最低値に低下した。米国市場の回復は当面望めない状況だ。

 <景気減速が新興国にも波及>

 先進国の落ち込みをカバーすべき新興国でも減速感が増している。インドの新車需要は7月と8月、中国は8月に前年実績を下回った。トヨタは中国の一部工場で減産を始めたほか、インドでトップシェアのスズキ(7269.T)の現地販売は4─9月の半期累計が前年比4.5%増と、前年の年間12%増から鈍化した。ロシアに強い三菱自動車工業(7211.T)も8月の現地販売が前年比マイナスとなった。

 トヨタの木下光男副社長は、金融不安が同社の年間販売計画950万台に影響を及ぼす可能性を示唆。「消費者が自動車購入の決断を先延ばしにし始めた」と指摘する。

 <円高も業績の下方圧力>

 一時は108円程度まで下落したドル/円JPY=も、足元は105円程度まで円高が進み、各社の業績計画に下方圧力をかけている。とくにトヨタは第1・四半期(4─6月期)決算時に通期の想定レートを100円から105円に変更し「のりしろ」がほぼない。ホンダは101円、日産自動車(7201.T)は100円の前提で計画を立てているものの、メリルリンチ日本証券のリサーチアナリスト・杉本浩一氏は「総じて(09年3月期の計画達成を)下方修正する可能性は否定できない」と語る。

 

 スズキの鈴木修会長は、トヨタやホンダなど上位メーカーが苦戦していることに言及した上で、今年度の計画達成について「当社もご多分に漏れない」と話しており、厳しく見ていることをうかがわせた。

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(ロイターニュース 久保 信博記者;編集 田巻 一彦)

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