COLUMN-〔インサイト〕金市場で目立つ個人の買い、始まったドル信認の揺らぎ=Mストラテジィ 亀井氏

2008年 11月 28日 13:27 JST
 

 米国を中心に金融市場で目まぐるしい動きが続く中、金市場では個人投資家を中心とする投資用の金貨や1キログラム以下の小口の金地金に対する買いが衰えることなく続いている。米国造幣局(USミント)発行の投資用24金の金貨(バッファロー金貨)が需要の高まりに鋳造が追い付かず、販売経路の絞り込みを発表したのは9月だった。

 10月には日本国内でもウィーン金貨で知られるオーストリア造幣局(オーストリアミント)が、増産のため3交代制24時間操業体制を敷いたと伝えられた。これらは「フィジカル・ゴールド(金現物)」需要の高まりとして10月24日付の当欄で紹介した。その際に、ニューヨーク・コメックスの先物取引ではヘッジファンドを中心に取引解消や益出しのための手仕舞い売りが続いており、いわば現物地金を伴わない「ペーパー・ゴールド」と「フィジカル・ゴールド」のせめぎ合いの構図になっていると指摘した。

 <リーマン破たん後に欧州を中心に急増した個人の金買い>

 前週は、オーストラリアのパース造幣局(パース・ミント)が、投資用金貨や地金の受注を年明けの1月までストップするという異例の発表をして注目を集めた。カンガルーを金貨の表面に刻印した24金の投資用金貨(カンガルー金貨)の発行で知られるが、3交代24時間しかも週7日の操業というフル稼働で対応しているものの注文を処理できない状態だという。

 注文増加で目立つのは欧州という。リーマン・ブラザーズの破たん以降、欧州でも金融機関の経営問題が連鎖的に表面化し、ロンドン、フランクフルト、パリでも金貨の売れ行き急増という現象が伝えられてきた。この話は、そうした報道を裏付けると言えよう。

 パースミントによると、通貨危機の関係でロシアやウクライナ、中東など欧州以外にも受注先が広がっている。従来のインド、中国という金市場ではおなじみの国に加え、投資用の金現物の需要が広がりを見せているのは間違いなかろう。リテール(小売)用のコインや地金がこんなに売れたことは過去になく、生産能力を軽く超えてしまっているということである。  続く...

 
 

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