COLUMN-〔インサイト〕レンジ相場の商品市場、一部に現物動意みえ明るい兆し=三菱商事フューチャーズ証 菅田氏

2008年 12月 24日 13:27 JST
 

 ここ1カ月の金融・商品マーケットの概況は、底値も見えてきたが上値も限定されているといったところであろう。

 まず、底値が見えてきたと判断する要因としては、7─10月にかけたダウントレンドも一服し、おおむね横ばいに推移しているといった値動きの形状。数年来のアップトレンド、その後の大幅急落を経て、ようやく落ち着きどころが見えてきた。マーケットの弱い材料に対する反応が鈍くなってきている点も注目される。

 世界各国の国内総生産(GDP)、住宅指標や雇用、自動車販売および生産など、いずれも強気になれる指標は皆無だが、これら指標等の発表時にマーケットは意外なほど底堅く推移した。

 また、12月12日に米上院におけるビッグスリー救済法案の廃案決定が伝えられ、東京株式市場は急落。リスク回避の動きも相まって円高の進行とともに円建ての商品市場も軒並み下落したが、当の米国市場では政府による救済への期待から廃案を織り込むと底値から急速に値を戻した点からも、金融・商品マーケット全般の底堅さが見てとれる。

 その背景には、各国中央銀行による利下げおよび市場への断続的な資金供給、金融機関への直接的な公的資金の注入などの政策がマーケットに浸透するとともに、「最悪期は織り込んでいる」との判断が働いたことが挙げられよう。感覚的なものと言ってしまえばそれまでだが、今後のマーケットの回復を占う上で、市場心理は極めて重要な判断材料の1つだ。

 一方で上値も追い切れない状態にあるのは、マーケットが依然としてあえて積極的にリスクを取りにいく環境になっていないことが最大の要因と言える。もちろん例年、欧米のクリスマス休暇シーズンや年末に向けて市場参加者が減少し、売買もポジション整理主体となり、その結果、相場も動意の乏しい展開となる傾向にあることも上昇力を鈍らせている原因の1つだ。

 しかし、全般的な流れの中において、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の悪化から経済情勢が大幅に悪化した本年7─9月期の経済指標や企業決算等の発表が続いていることが挙げられる。これは先に述べた「最悪期は織り込んでいるとの判断から下値が限定されている」と一見矛盾するが、「弱い指標を受けても下値が限定されている」─「買い」といった単純な図式ではなく、実際はさまざまな要因が存在する。「弱い指標を受けても下値が限定されている」─「X」─「買い」というように、Xに存在するさまざまな要因をクリアして(もしくは、それらの要因の大半が「買い」につながって)、ようやく本格的な買い意欲の向上につながる。  続く...

 
 

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