円債こうみる:長期金利は年内1.1―1.2%台も=みずほ証券 上野氏

2008年 11月 21日 08:38 JST
 

 <みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

 景気・物価の両面で市場の「デフレ」ないしは「デフレスパイラル」の恐怖感を強める材料が続出するなか、欧米市場で株安・債券高が加速した。メルトダウンのような株価急落局面が再開している感もある。一方、質への逃避あるいは、ほかに資金の行き場がないという事情から、欧米債券相場は堅調。米10年債利回りは、一気に3%を割り込む場面があった。出遅れ感がある日本でも、10年債利回りの1.3%台への回帰が間もなく実現しよう。年末に向けて1.1―1.2%台、今後の情勢次第で1%ラインを試す可能性が出てきた。

 1)グローバリゼーションと証券化で世界中にリスクが拡散しており「集中治療」が困難、2)実体経済・金融両面でのグローバリゼーションを通じ、世界経済は密接にリンクしており「デカップリング論」は成立しない、3)「日本の教訓」からみて米国が現在行っている公的資金注入策は明らかに不十分で市場の信頼感(コンフィデンス)回復につながらない、4)「原油・穀物バブル」が崩壊したことで日米欧について「インフレ」ではなく「デフレ」のリスク増大が意識されるようになってくる、5)利下げが続く結果、世界各国の政策金利は0%台に近い、低い水準に収れんしてくる、6)危機対応という位置付けでFRBなどは社会主義的とも揶揄(やゆ)される「政策総動員」を行ってきた。将来いずれかの時点で正常化が試みられるとしても、「出口」までの距離、すなわち利上げに動けるようになるまでのラグは、かなり長いものとなる――ことがポイント。これらは金利低下、イールドカーブのブルフラット化を明示している。

 

 (東京 21日 ロイター)

 
 

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