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〔アングル〕個人のドル/円買い建て玉が過去最高、ファンド勢は売り崩し狙う
2009年9月2日 / 08:43 / 8年後

〔アングル〕個人のドル/円買い建て玉が過去最高、ファンド勢は売り崩し狙う

 基太村 真司記者

 [東京 2日 ロイター] 為替市場ではドル/円JPY=相場を読む上で、個人投資家のポジションがこれまでになく意識されている。個人投資家は円高の進行で値ごろ感から過去最大のドル買いポジションを積み上げる一方、金融機関のディーラーやファンド勢などは世界的な株価調整を手掛かりに一段の下落を見越した売り崩しを狙う。個人が損失確定の売り戻しに動くポイントは7月安値からやや円高水準の91円半ばといわれており、売買が交錯しやすい状況が続きそうだ。

 外為証拠金取引の取引所「くりっく365」を運営する東京金融取引所(TFX)によると、個人投資家のドル買い/円売りはドル/円が上値を切り下げ始めた8月半ばから急速に増加。ドル/円が1カ月半ぶりの安値をつけた31日に買い残は15万6335枚と、「円安バブル」と呼ばれる2007年夏の水準を上回り、05年7月の上場以来、最大の建て玉を記録した。ドル/円が下げ止まった1日は15万6137枚と小幅に減少したが、依然として高水準を保っている。

 業界大手の外為どっとコム(港区)でも、個人はドル買い/円売りが優勢だ。同社が設立したシンクタンク、外為どっとコム総合研究所で主席研究員を務める植野大作氏によると、最近のドル/円の売買に占める買いの比率は、今年3月以来の高水準。「低金利のドルを買うのは(金利差収入を意味する)スワップポイント狙いではなく、純粋な相場観の反映といえる。個人はドル/円が再び87円に下落するような『リーマンショックの第2ラウンド』はないと読み、90―95円付近のボックス相場を想定している」という。

 過去最大の買いを積み上げた個人投資家に対し、銀行などのディーラーは売りスタンスで対決姿勢を強めている。今年3月以降、相次ぐ各国政府や中央銀行の景気刺激・量的緩和策という「例外的な政策」(7月イタリアサミットの声明文)を下支えとして、株価は世界的に反発、経済指標も景気の最悪期からの脱出を示し続けてきた。

 しかし、足元では株価の反発地合いが一服となり、予想を上回る経済指標に対する反応も鈍さが目立ってきた。市場では、最近の景気回復ムードや株価の上昇に疑念を持つ向きが少なくなかっただけに、「ある程度の景気回復は市場に織り込まれた。そろそろ調整局面に入ってもおかしくない」(ある都銀のチーフ外為ディーラー)として、一時のようなパニック的な状況には至らないとしても、もう一段の株安や円高余地があるとする声が上がり始めている。

 ただ、下攻めを狙う参加者にもかつてほどの勢いは感じられない。世界経済が金融危機から脱しつつあるとはいえ、巨額の資金を動かして為替相場を大きく変動させるヘッジファンドなどの多くは依然として様子見姿勢。「大きくポジションを取れるほど彼らの体力も、市場環境も回復していない」(在京外銀関係者)状況で、「ここから積極的に売りポジションというリスクを積み上げる向きが少ない」(先出の都銀チーフ)。1日海外市場でもヘッジファンドのデフォルトリスクが取り沙汰されるなど、市場心理はもろさをはらんだままだ。

 過去最大の個人のドル買い/円売りは、前日から「海外勢の間でも話題」(邦銀プロップディーラー)だ。複数の関係者によると、ドル/円の下落局面で買いを入れ続ける個人が損失確定の売り戻しに動くポイントは、92円前半から7月安値の91.73円を下回る91円半ばに集中。ドル/円の下落を予想する在京外銀のチーフディーラーは「このまま90円を割れるような勢いはないかもしれないが、なんとか証拠金のストップだけでも狙いたい」と、個人のポジションを意識した売買を続けている。

現在のレートはAFX=、時系列のレートはJPNUTKYFXをご覧下さい。

 (ロイターニュース 編集:橋本浩)

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