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UPDATE1: 白川日銀総裁記者会見の一問一答
2009年6月16日 / 08:53 / 8年前

UPDATE1: 白川日銀総裁記者会見の一問一答

 [東京 16日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は16日、金融政策決定会合後の会見で、現在実施しているCPや社債の買い切りといった「異例の措置」からの出口問題について、企業金融の動向や政策効果などを点検して市場参加者から見て予測可能性ある形で9月末までに判断するとの認識を示した。また、時限措置は、それぞれ目的と仕組みが異なっていることから、効果もさまざまだとして、時限措置ごとに対応検討していく必要があるとの考えを示した。

 

 会見の詳細は以下の通り。

 

 ──今回の景気判断について上方修正と見ていいか。

 

 「(略)経済・物価情勢は4月末に公表した展望リポートの見通しにおおむね沿った動きと判断している。日本の景気は大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある。これは、企業収益や雇用・所得環境が厳しさを増し、これを受けて国内民間需要が弱まっている一方で、輸出・生産が持ち直しに転じつつあるほか、公共投資も増加していることが主な理由。当面は、こうした景気下げ止まりの動きが次第に明確になっていく可能性が高いと考えている。この間の金融環境を見ると、先月に比べ、CP、社債の発行環境がさらに好転するなど、一段と改善の動きが見られていると判断した。もっとも、全体としてはなお厳しい状態が続いており、来月の短観の結果などを含め、今後の金融環境を丹念に点検していきたい」

 

 「物価面は、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち込みを反映し、足もと低下している。今後は需給バランスの悪化も加わってマイナスになっていくと見られる。特に夏場にかけては、昨年、石油製品価格が大幅に上昇したことの影響から前年比で見て、いったんマイナス幅が大きくなることが見込まれる」

 

 「先行きの景気については、内外の在庫調整が進ちょくしたもとで、最終需要の動向に大きく依存する。本年度後半以降の見通しとしては、海外経済や国際金融資本市場の回復に加え、金融システム面での対策や財政、金融政策の効果もあって景気は持ち直し、物価の下落幅も縮小していく姿を想定している。もっとも、こうした見通しをめぐる不確実性は大きいと判断している」

 

 「リスク要因は展望リポートで示した判断と変わっていない。具体的には、景気面では、国際的な金融・経済情勢、中長期的な成長期待の動向、わが国の金融環境など下振れリスクが高い状況が続いていることに注意する必要がある。物価面では、景気の下振れリスクの顕在化、中長期的なインフレ予想の下振れなど下振れリスクを注視する必要がある。一方、このところ原油価格など商品市況が上昇傾向をたどっており、今後もこうした動きが続いていけば、物価が上振れるリスクにも注意が必要になってきている。日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰していくために、中央銀行として最大限の貢献を行っていく方針だ」

 

 「日本銀行では4月末に公表した展望リポートにおいて、すでにわが国経済は悪化のテンポが徐々にやわらぎ、次第に下げ止まりに向うという見通しを示している。本日の判断は、こうした見通しに沿った動きを確認したもので、従来の見通しを修正したものではない。上方修正の修正ということについてだが、例えば雨が降っている時に天気予報で明日の天気について雨が止むなどの見通しを立て、翌日に予報通りになった場合、天気予報を修正したとは日本語ではいわない。寸分違わず予想通りというつもりはないが、基本的には予想通り展開している。私も委員会メンバーも上方修正したとの受けとめ方はしていない」

 

 ──今回の表現は「悪化した」と過去形になっており、景気の底打ち感が出ているとの印象があるが。

 

 「昨年秋以降、リーマンの破たんに伴うショックから、大幅な減産、それに伴う在庫調整が進んできたが、在庫調整が内外でそれなりに進ちょくしてきている。第2点は、極端な不安心理が後退してきた。第3点は、内外で財政政策、金融政策、積極的な政策が展開されたということ。言い換えれば、この3つは、それ自体として先行きの自律的な民間需要の回復を保証するものではない。内外の在庫調整が進ちょくした後、最終需要がどのように推移するかがポイント。日本銀行として最終需要の回復について、まだ慎重に見ている。底入れという言葉は人さまざまでいろいろな定義が使われ、定義論争には入りたくない。ポイントは内外の在庫調整が終わった後の最終需要について、日本銀行は現在、慎重に判断しているということ」

 

 ──まだ底入れとは言わないということか。

 

 「繰り返しになるが、各人各様で定義を使って議論をすると議論が混乱する。あくまで日本の銀行の表現にこだわりたい」

 

 ──期限を設けて実施している「異例の措置」について、現時点でどのような議論が進んでいるのか。

 

 「日銀に対して質問があったが、現在、異例な措置を各国の中央銀行が採用しているので、まず各国中銀の一般的な考え方を説明したい。これは日銀も含めて。昨秋以降、各国の中銀は大変厳しい金融・経済情勢を踏まえて、各種の異例な措置を実施してきている。同時に、金融・経済情勢が改善していくにもかかわらず、そうした措置を必要以上に長期間にわたって続けると、金融市場にゆがみを与え、結果的に景気や物価の振幅を大きくするリスクがあることも最初から十分に意識されている。このため、各国中銀は常にそうした異例の政策の終了時期と円滑な終了方法を意識しつつ、各措置の制度設計とその運営を行ってきている。そもそも、そうした異例の措置の実施につて、中銀がこうした注意深い対応をしていなければかえって市場に不安感を高める性格のものだと思っている」

 

 「このような基本的な考え方の下で具体的な終了時期や円滑な終了の仕方については、各国中銀がそれぞれの置かれている金融情勢や金融市場の状況をしっかりと点検した上で判断していくと。これは、この政策を検討し、始めるときから一貫した考え方で、したがって今申し上げたことは何か新しいことを言ったというわけではまったくない」

 

 「そして、日銀が現在実施している時限措置について申し述べると、9月末を念頭に置いて期限を設けて実施している措置はCP・社債の買い入れ、企業金融支援特別オペのほか、米ドル資金供給オペや補完当座預金制度などがある。このように現在、多くの時限措置があり、それぞれ措置の目的や仕組みが異なっているほか、金融市場や金融環境に与えている効果もさまざまだ。したがって、時限措置ごとにその対応を検討していく必要があると考えている。具体的には、今後の経済や金融市場の動向がどのようになっていくかということが、個々の政策を判断する上で最も重要な要素。したがって、金融市場や企業金融の動向、各措置の与えている効果などをしっかりと点検した上で、市場参加者から見て予測可能性のある形で9月末までの適切な時期までに判断していく方針だ。長く申し上げたが、要は、金融市場の状況を丹念に見て判断していくということに尽きる」

 

 ──今日の決定会合で具体的な「出口論」の話はあったのか。

 

 「各委員がどのような発言をしたかは議事要旨をみていただきたい。私が申し上げたことは、今ご質問の件について今日委員会でどういうふうな発言があったか自分なりに要約して申し上げたということ」

 

 ──景気判断については最終需要がどうなる次第ということだったが、その見通しについてはどうか。

 

 「今日の発表分でも明示的にふれているが、また展望リポートにも詳しく書いているが、生産が大幅に落ちてきたわけだが、その影響はこれから企業収益が大幅に減少し、そのことは設備投資にも影響していくわけだ。それから、雇用・賃金にもその影響が出てきている。その結果、設備投資についても消費についても、つまり内需についてこれから弱くなっていくという判断を示している。一方で、内外の在庫調整進展から輸出が増えていくというプラス、そして公共投資も増えていくというプラスがあり、他方で内需の弱さがあるから、したがって在庫調整が終わったあとの、特に民間最終需要の動きにがポイントになってくる。そこについてはいくつかのリスク要因にも触れながら、日銀としては慎重にみているということ」

 

 ──各国長期金利が上昇しており、また商品市況も上昇傾向にある。こうしたことへの所見をうかがいたい。

 「長期金利から先にお答えしたい。多少教科書的な話になるが、長期金利の動き方について整理してみたいが、短期的には日々色々な要因で変動するが、ならしてみると長期金利は結局将来の成長率や物価に関する市場の見方を反映し、さらにはそうした見方に関する様々なリスクや不確実性、そうしたものが上乗せされた形で形成されていると思う。こうした点を踏まえて最近の内外の長期金利をみると、米国の長期金利はこのところやや大きく上昇している。その基本的な背景としては実は景気に対する極端に悲観的な見通しが後退してきたこと、二つ目には金融システム不安が和らいで、いわゆる質への逃避という現象の巻き戻しがみられること、三番目には財政赤字拡大に対する警戒感が強まっていることがある」

 

 「日本の長期金利だが、世界全体の長期金利の動きの中で、欧米対比で小幅ではあるが緩やかに上昇している。株価が堅調に推移していることを踏まえると、景気下げ止まりへの市場の予想が高まっていることが基本的な背景にあるのだろうと思う。ただ我が国の財政事情が非常に厳しいことを踏まえると、債券

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