米金融・債券市場展望=市場の焦点は依然リスクか

2008年 03月 12日 08:25 JST
 

 [ニューヨーク 11日 ロイター] 12日の米国債市場の動向は、米連邦準備制度理事会(FRB)など世界の中央銀行各行が信用市場の機能を維持できるかどうかの見方にかかってくる。FRBが新たな流動性対策を発表したのを受け、11日の国債相場は下落した。

 ディシジョン・エコノミクスのシニアエコノミスト、ピエール・エリス氏は12日の債券市場の焦点について、「依然として『リスク』になるとみられるのは間違いない」と指摘。「(FRBの対策が)心理面を改善させるのに十分かどうかが問題だ」との見方を示した。12日の市場では、前日の、リスクに関する「非常に突然かつ極端な判断」について「若干再考される」可能性があるという。

 FRBの発表を受けて信用市場の状況が改善されるとの見通しが浮上したことから、投資家らは11日に米国債市場から離れ、株式や商品市場に再び戻った。ダウ工業株30種平均の上昇幅が416.66ドル(3.55%)に達したほか、原油先物相場は1バレル=108ドルを突破した。

 また、FRBの新たな流動性対策を受け、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずに緊急利下げが決定されるかもしれないとの観測が後退した。次回のFOMCをめぐっては、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が少なくとも0.50%引き下げられると幅広く予想されており、利下げ幅が0.75%になるとの見方もある。現在のFF金利誘導目標は3.00%。

 ディシジョン・エコノミクスのエリス氏は「信用市場の機能促進に向けてFRBは大きな対策に踏み切ったが、これらがもたらす実際の影響は時間が経過すると明らかになるものだ」と指摘。「FRBはプライマリーディーラーの資金調達に関する状況を改善させたようだが、十分な効果をもたらすかどうかは分からない」と強調した。

 12日は市場を動かしそうな主要経済指標が予定されていないため、債券市場ではFRBの流動性対策への反応以外に焦点となるものはほとんどないとみられる。

 ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツのアナリスト、ジョン・カナバン氏は「11日の市場動向を踏まえれば、12日は少なくとも若干の巻き返しが起こる公算がある」と語った。同氏は「特にオーバーナイトでは、アジア市場の反応に伴いある程度の追随の動きが見られるだろう。ただ、予定が閑散なことから、米国の取引時間では大きな追随の動きはないもようだ」としている。

 IDEAグローバルのシニア債券ストラテジスト、ジョシュ・スタイルズ氏によると、11日に大幅上昇した米株式がさらに上昇できるかが、国債相場がさらに下落するかどうかを左右する見込み。同氏は12日の国債市場に関して、「FRBの対策を一時的なものとして見始める可能性がある」と指摘。そうなれば、株式相場が値下がりし、国債市場が安定することが考えられるという。

 同氏はさらに、「FRBの対策は消費者を支援したり、インフレを低下させたりするものではない」とした上で、「この対策はクレジットサイドに影響を及ぼしている。信用状況は重要だが、経済問題の一部にすぎない」と付け加えた。

 
 

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